alan:香港Metro Radio最優秀新人賞・最優秀歌曲賞をダブル受賞!

(不准转载)
alanが香港の新城国語力賞で最優秀新人賞と最優秀歌曲賞をダブル受賞した。
…と書いても、ほとんどの日本人にはピンと来ないだろう。
まずalanとは、エイベックス所属の中国四川省・美人谷出身の女性歌手。昨年、映画『レッド・クリフ』『レッド・クリフ PART II』の主題歌を歌った。

alanは雑誌『AneCan』の専属モデルもやっている。今月発売の2010年9月号には、alanにスポットをあてた特集がある。
「新城」とは香港のラジオ局の名前。「国語力」とは中国の標準語(北京語)のパワーという意味で、要するに広東語ではなく、北京語のポップスの中で、最もパワーのある歌手や歌曲という意味。
この賞は2004年開始と歴史は浅いが、今年の受賞者にはジョイ・ヨン(容祖兒)、bibi(周筆暢)、イーソン・チャン(陳奕迅)、ゲイリー・ツァオ(曹格)など、香港・台湾を含む中華圏の人気歌手が入っており、そこそこメジャー感のある賞だ。
ところで、alanは中華圏で一度もコンサートをしていない。
にもかかわらず、中国エプソンの学生用インクジェットプリンタのタイアップ曲『有ME就好』(=「MEがあれば大丈夫」の意味。MEは「私」とエプソンのプリンタの製品名をかけている)は、上述の香港・新城ラジオの北京語ポップスチャートで2010/5/22付けで1位を獲得し、今回の受賞曲となった。
受賞曲『有ME就好』のPVはこちら。

alanは日本では、歌においては、抜群の歌唱力のある実力派歌手、キャラクターとしては、ちょっと天然ボケの天真爛漫な美人といったところか。
しかし中国では、もちろん実力派としての訴求もしているが、この『有ME就好』のPVを見て分かるように、アイドル寄りの売り方になっている。
キャラクターとしても、日本と違って、ハイテンションで天真爛漫というよりは、真面目に頑張っている女の子という感じになっている。
その証拠に中国のalanファンの平均年齢は20歳前後の学生(大学生、高校生)が多く、女性もかなり含まれる。小中学生のファンさえいる。
日本人ファンの大半がアラサー男性であるのと比較すると、中国では学生受けする「努力家のアイドル」的売れ方だと分かる。
今年2010/04に中国中央電視台CCTV-4の『華人世界』というドキュメンタリー番組で、日本で孤軍奮闘する健気な女の子として紹介されたことで、中国大陸でのalanの知名度はかなり上がったようだ。
『華人世界』(日本語字幕付き)はこちら。

この番組でも、alanは涙ながらに日本での苦心を語っており、明るく天真爛漫というより、親思いの「努力家のアイドル」的側面があえて強調されている。
映画『レッド・クリフ』は中国でも日本でも公開された。なのに、コンサートも開いていない香港で、中国エプソンのタイアップだけで最優秀新人賞と最優秀歌曲賞のダブル受賞。
一方、日本では、デビュー3年でシングルを13枚も発売しているのに、『レッド・クリフ PART II』主題歌のオリコン週間チャート第3位、累計売上3.8万枚が最高。
その後、11枚目の『Swear』は週間チャート最高35位。12枚目の『Diamond/Over the clouds』は最高20位。最新の13枚目『風に向かう花』も最高第17位と不振がつづいている。
次の14枚目のシングルは2010/10/13リリース、邦画『桜田門外之変』主題歌『悲しみは雪に眠る』。これも『レッド・クリフ』主題歌のような売行きはとても期待できない。
なので今年末、alanが日本の何かの賞を受賞することは多分ないだろう。日本人ファンがいくら口コミでalanの名を広めても明らかに限界がある。
NHKのエコ番組『SAVE THE FUTURE』の主題歌『懐かしい未来』を歌っているので、エイベックスが紅白歌合戦に何とか参加させるかもしれない。
でも、紅白歌合戦はもう若者向け番組ではなく、新しいファン層の拡大につながりづらい。alanの日本語力不足が、民放の人気歌番組への出演を妨げている。
極めつけは、alanが韓流ではなく、華流であること。
一般の日本人にとって華流は、上海万博のPR曲『2010等你来』が岡本真夜のパクリだったり、パクリ・キャラクターのいる遊園地があったり、とにかく印象が悪い。今回の香港でのダブル受賞も、日本の歌謡界では全く価値がない。
エイベックスにとっては、中国と日本のそれぞれで、alanに同じ費用をかけたときのリターンを考えると、今回の受賞もあいまって、今後はますます中華圏の方が大きくなるだろう。
中国大陸の主なファン層である学生さんの経済水準が、日本の主なファン層である中年男性より断然低いことを考慮に入れても、である。
う~ん。いったいエイベックスは、これから日本でalanをどうやってメジャーシーンに押し上げるのだろうか。僕には全く想像がつかない。
日本語がまだヘタで、23歳とJ-POP業界では決して若くない中国人女性歌手のalanを、美貌と歌唱力だけで売るつもりなのだろうか。
考えれば考えるほど分からなくなるので、そろそろ寝るとしよう。