alan symphony 2010 レビュー:alan 2nd concert(6)

alanの日本で2回目のコンサートツアー『alan symphony 2010』2010/07/16大阪公演のレビュー(6)。前回からのつづき。
最後のレビュー(6)は、初めてalanのコンサートに参加しての雑感で、本当にどうでもいい与太話なので、特にコアな「alanファン」の皆さんは、精神衛生上も読み飛ばすことを強くお勧めする。
NHK大阪ホールでの開場前、エイベックスのスタッフが1階で入場者を整列させていたのだが、最初にも書いたように、やはり若い女性ファンが圧倒的に少ない。驚くほど年齢の高い男性・女性の観客も散見された。
口コミによるファン層の水平拡大が期待できるのは、中年男性ファンではなく、フツーの若い女性ファンだ。フツーの若い女性ファンを獲得しなければ、ファン層の拡大は確実に頭打ちになる。
alanのような美貌の女性歌手の男性ファンは、無意識に独占欲がはたらき、既にファンである者どうしの妙な連帯感は生まれるが、友人にその女性歌手を聴くようにすすめる可能性は、女性歌手の若い女性ファンがそうする可能性より、確実に低い。
しかも中年男性の場合、そもそも交友関係が限定されていたり、好きな歌手のようなプライベートの会話ができるような親友が非常に限られている場合がかなりある。
それに対して、フツーの若い女性はおおむね中年男性より社交的なので、口コミによるマーケティングが有効に機能しやすい。
今回のライブの客層を見て、改めてalanのファン層の拡大が『レッド・クリフ』以降、いったん頭打ちになっている原因がよく分かった気がした。
結局、フツーの若い女性ファン層を獲得するには、テレビのバラエティー系音楽番組やバラエティー番組への露出を増やすしかないのだ。
たとえ『AneCan』でモデルをやっていて美人だと分かっていても、フツーの若い女性ファンの獲得にはつながらない。
若い女性が、同じく若い女性タレントやモデル、歌手のファンになる最大の要因は、おしゃべりから垣間見える性格がすべてだ。バラエティー系のテレビ番組に出演して、司会者と少し話す様子を見るだけで、若い女性はそのタレントが好きか嫌いか、はっきり白黒をつける。
ところがalanは日本語が不自由なので、それ以前の問題なのだ。少なくともローラ・チャンと同等の日本語力がつかない限り、フツーの若い女性(いわゆるF1層)のファンは広がらない。つまり、ファン層の拡大は頭打ちのままになる。
あと、開場前に気になったのが、関西弁でない、明らかに関西圏以外からの遠征組の中年男性ファンが、見ず知らずの中年男性の入場客に、大声で無遠慮に話しかけるのを見たことだ。
これこそ、「alan家族」の悪い面である。
僕はalanファンだが、alanだけを聴いて生活しているわけではない。また、alanをアイドルとして好きになっているわけでもない。僕のような男性alanファンが増えないことには、やはりalanのファン層の拡大は期待できない。
ところが「alan家族」を先述のような日本的文脈で誤解しているファンは、なれ合いが許されると思い込んでいる。
その結果、見ず知らずの、たまたま4階のNHKホールへ向かうエスカレーターの同じ段に乗ったというだけの観客に、不躾にも「今日の一曲目はなんでしょうねぇ?」などと、相手を困らせるだけの行為に出る。その観客がどれほど熱心なalanファンであるかどうかを完全に無視して。
このような「alan家族」という概念についての誤解が行き着く先は、「alan家族」が排他的になってしまうことだ。
僕はビクター所蔵の某中堅女性歌手ファンクラブに入ったことで、排他的なファン集団が、ファン層の拡大をいかに妨げるかを実感した。
排他的なファン集団は、その集団へ入るための敷居を高くすることに、自己満足を感じ、歌手に対する独占欲が満たされる喜びをおぼえる。
最終的には、アーティスト自身が、その居心地の良い排他的なファン集団の中に安住し、それ以上のファン層の拡大を望まなくなってしまう。(そして時間を持てあまして運転免許などを取りに行ったりする(笑))
仮にalanの主なファン層である中年男性が、「alan家族」を排他的な、つまり、alanに対する批判を許さない集団ととらえ、その基準に合わないファンを排除し始めたら最後だ。日本でalanがブレイクすることは永遠にない。
すでに、その傾向は見えているけれど。
くり返しになるが、alanが日本人なら、レコード会社を移籍して、細々とアーティスト活動を続けていく道もあるが、中国人のalanの場合、日本での発展が阻害されれば、大切な両親のいる四川に戻ることを選ぶだろう。
alanを不幸にさせたくないのであれば、alanを過保護にする親衛隊のような「alan家族」を形成すべきでない。
alanは『レッド・クリフ』世界主題歌を歌ったにもかかわらず、a-nationでは3年連続で依然として「シューティングアクト」、といえば聞こえはいいが、要するに「つなぎの歌手」なのだ。
「alan家族」という表現が、逆にalanのファン層の拡大を妨げることにならないよう、祈っている。(いくら祈っても、今後ますますそういう方向に進みそうな気がするのだが)
※alan:2ndライブ『alan symphony 2010』関連記事
「alan:2ndライブ『alan symphony 2010』レビュー(1)」
「alan:2ndライブ『alan symphony 2010』レビュー(2)」
「alan:2ndライブ『alan symphony 2010』レビュー(3)」
「alan:2ndライブ『alan symphony 2010』レビュー(4)」
「alan:2ndライブ『alan symphony 2010』レビュー(5)」
「alan:2ndライブ『alan symphony 2010』レビュー(6)」