勝間和代『つながる力』のウソ(1):ツイッターは「壁を作る」

勝間和代と広瀬香美のツイッター解説書『つながる力』は、やっぱりウソだった。実際に1か月近くツイッター(Twitter)を使って、3つのことに気づいた。
●ツイッターは「壁を作る」メディアである。
●ツイッターのリアルタイム性は単なる錯覚である。
●ハッシュタグ問題。
まず、ツイッターは「壁を作る」メディアである点から。
勝間和代は上述の書名のとおり、ツイッターは人と人をゆるく「つなげる力」があると書いているが、これはウソだ。それには二つの要因がある。
一つは「言葉の壁」である。
当然のことだが、日本語しかできない人は、日本語でつぶやく人どうしでしかつながれない。ツイッターが世界をつなぐというのは大ウソで、言葉の壁は乗り越えられない。
中華圏は中華圏で「新浪微博」という独自のマイクロブログ・サービスが存在し、中国語が母語の人は基本的にこちらを使う。ツイッターが中国語を母語とする人たちを事実上排除し、壁を作っている証明になっている。
(「それは中国政府による検閲のせいだろ!」という嫌中論を展開したい方は、どうぞご自由にツイッターでつぶやいて頂きたい。それこそが僕の言うツイッターの作る「壁」である)
たとえツイッター内部であっても、フランス語しか分からない人と、ドイツ語しか分からない人と、英語しか分からない人と、日本語しか分からない人の間に、つながりは生じ得ない。
もう一つは「趣味嗜好の壁」である。
ツイッターでは、自分の興味のある人物だけを選んでフォローでき、逆に自分をフォローしてきたユーザーがイヤな場合は、簡単にブロックできる。
また、自分への返信(Reply)は、ツイッター標準のインターフェースを使っている限り、自分の画面(タイムライン)に表示されないので、自分への返信さえ完全に無視できる。この点は電子メールや掲示板と決定的に違う。
こうしたツイッターの仕様は、ツイッター利用者が、趣味や意見を同じくする人たちだけで、閉鎖的な集団を作ることが十分可能であることを意味する。
ツイッターは仕組み自体が簡素なので、もちろん使い方によっては「つながり」をゆるく広げることもできるが、逆に完全に自閉的な使い方もできる。
そして利用者が増えれば増えるほど、ツイッターは「同好の士」による「小さな島宇宙」に細分化される傾向になっていくはずだ。一人の人間がフォローできるユーザには限界があるので。
この点で、勝間和代の書いていることは無根拠な楽観でしかない。
ただしツイッターには、この自閉的な使い方を、暴力的に破る方法がある。それがハッシュタグなのだが、これについては後述する。
(つづく)