「非実在青少年」以前に、「お笑い」東京都青少年保護育成条例

最近「非実在青少年」という哲学的な用語がニュースで飛び交っているので、初めて「東京都青少年の健全な育成に関する条例」を読んでみたら、不謹慎ながら冗談かと思うくらい面白い。
東京都では、大の大人がこんな条例を大真面目に議論して制定しているのかと思うと、滑稽きわまりない。
条例では「青少年」は18歳未満の者をいうと定義されているが、親の同意があれば日本では女性は満16歳で結婚できる。
下品な表現で申し訳ないが、子作りのために配偶者と毎晩、さまざまな体位でセックスしている満16歳の女性は、同条例の主旨に照らした場合、「健全な青少年」なのだろうか。
何しろ同条例は、「青少年に対し、性的感情を刺激」する図書類又は映画等は「不健全な図書類」であり、販売などの自主規制の努力義務を課せられているのだが、それを実際の行為として毎晩おこなっている満16歳の女性は、残念ながら「不健全」と言わざるを得ない。
あと笑ったのが、第15条の「着用済み下着等の買受け等の禁止」。
お食事中の方は、あまりに下品な表現が続出するので、ここから先は読まないで頂きたい。条文をそのまま引用する。
「何人も、青少年から着用済み下着等(青少年が一度着用した下着又は青少年のだ液若しくはふん尿をいい、青少年がこれらに該当すると称した下着、だ液又はふん尿を含む。以下この条において同じ。)を買い受け、売却の委託を受け、又は着用済みの下着等の売却の相手方を青少年に紹介してはならない」
こういう条文を、一生懸命、大の大人が精査していたんだと思うと、ご苦労様ですとしか言いようがない。
「だ液又はふん尿」だけが含まれるなら、他の体液は大丈夫なのだろうか。血液とか、胃液とか、あとはあえて書かないが、もっと「不健全」な体液はいろいろとあるが…。
こんな下らないことを都民の税金を使って、時間をかけて審議して、事あるごとに改正して、条例にしておきさえすれば、青少年は「健全」に育成されると信じている、大人たちの能天気さが恥ずかしい。
ついでに驚いたのは第18条の3。
「保護者及び青少年の育成にかかわる者は、異性との交友が相互の豊かな人格のかん養に資することを伝えるため並びに青少年が男女の性の特性に配慮し(以下略)」
同性愛は「健全」でないとしか読めない。この条例は同性愛を「不健全」とする条例でもあったのか。初めて知った。
最後に、言うまでもないことだが、こんな小説がある。
一人の男子高校生が、夜の繁華街で知り合った少女と行きずりのセックスをして、その少女に好かれるが、男子高校生の方がウザがって、自分の兄にその少女を5千円で売りつける。が、その少女は男子高校生とのセックスで妊娠していたことがわかり、中絶手術を受けるが、腹膜炎を併発して死んでしまう。
この『太陽の季節』という小説の著者が、現在、上の条例の最高責任者の石原慎太郎氏である。
これが腹を抱えて笑わずにいられるだろうか。