筒井康隆『笑犬樓の逆襲』(新潮文庫)を読んでいる

いま筒井康隆『笑犬樓の逆襲』(新潮文庫)を読んでいる。筒井康隆を読むなんて十何年ぶりだろうか。連載コラムをまとめた本なので、気楽に読めるし、そこそこ面白い。
僕が筒井康隆を初めて読んだのは小学校5年生のとき。星新一と筒井康隆のショートショートを、早熟な男子同級生に勧められたからだ。
星新一は、当時発刊されていた文庫はほぼ全て読んだ。筒井康隆は『アフリカの爆弾』『にぎやかな未来』あたりを読んだ記憶がある。

それまで漫画しか読まず、愛読書は池沢さとし『サーキットの狼』。母親に付き添われて、駅前の書店で偉人の伝記を買いに行ったときも、漫画版をねだったほどだった。
でも、星新一と筒井康隆のショートショートを読んで以降は、活字の魅力に引き込まれて、ほぼ活字しか読まず、漫画をまったく読まなくなった。
今の小学生に最も読まれている小説って何なのだろう。漫画の単行本しか読まないのだろうか。
僕は『ハリーポッター』シリーズを全く読んだことがない。読む前から「教養小説(アインビルドゥングスロマン)」であることが分かっているからだ。
『ハリーポッター』には、星新一のようなアイロニーや悲観主義はあるのだろうか。筒井康隆のようなブラック・ジョークや猥雑さはあるのだろうか。
子供には美しい世界だけを見せればいいというものではない。宮崎駿の世界も、星新一や筒井康隆に比べれば「きれいごと」の世界だ。純粋培養が良いのか悪いのか。