lelaという歌手が鬼束ちひろの『月光』をカバーするらしい

lelaという北海道在住女性歌手が鬼束ちひろの『月光』をカバーして配信シングルとして発売するらしい

2009/10にデビューアルバム『裸の月』が発売されていて、発売元のヴィレッジミュージックはソニー・ミュージック系列のレーベルのようだ。
zakzakという産経グループのサイトでは「元ひきこもりの”和製エンヤ”lelaデビュー!」という扱いになっている。
だが、彼女の公式サイトのブログ記事を読む限り、鬼束ちひろの『月光』が彼女の人生を変え、歌手としてのデビューへ導いたのは本当らしい。
YouTubeに彼女のドキュメンタリー番組が違法アップされているが、2000年にU-SEN主催のオーディションでグランプリを受賞し、その後インディーズ作品を何枚かリリースしてきたが、昨年2009/10のデビューは、苦節9年の末とのこと。
その理由の一つが、彼女が子供のころから極度の対人恐怖症で、どこへ行くにも母親とともに行動し、他人と全く会話を交わさず、声を出すのは歌う時だけ。他人とのコミュニケーションは耳が不自由なわけでもないのに、筆談。
対人恐怖症の原因は、声帯結節のためうまく声が出ず、それがコンプレックスになってことらしい。だが、家族とカラオケに行くうち、歌を歌い始めたとのこと。声帯結節は自然治癒したのか、手術したのか、不明。
彼女はどうやらシンガー・ソングライターではなく、作詞のみで、曲は作っていないようだ。ただ、クレジットが明記されていないので詳細は不明。
彼女の母親は、なぜずっと彼女と行動を共にするだけで、9年間も「対人恐怖症」を治療せずに放置したのか。YouTubeのドキュメンタリーでは、彼女が北海道から一人で上京する話し合いの席で、彼女ではなく、彼女の母親が大泣きしている。

典型的な母子癒着だ。明らかに、子離れできない母親の無言の束縛と、それに応えようとする彼女の母親への愛情が、対人恐怖症の本当の原因だろう。
また、彼女の「対人恐怖症」は、おそらく医師の診断ではなく、家族や本人がそう名付けているだけと思われる。
結果的に一人で北海道から東京へ上京でき、人前に立ってライブができる程度の「対人恐怖症」なら、仮に医師の診断であれば、9年もあれば治療できたはずだから。
いくら彼女の作品が良くても、ここまであざといメンタルヘルス系押しで新人を売り出すのは、7匹目くらいのドジョウのような気がする。
鬼束ちひろが決してメンヘル系売りでなかったことを忘れてはいけない。鬼束ちひろは、孤独や不安を自分自身に組み込まれた「システムのようなもの」と表現していたのであって、心的外傷の存在をはっきり否定している。
このlelaという歌手が『月光』をカバーすることについて、鬼束ちひろはたぶん、単純にうれしくてOKを出したのだと思う。
lelaの公式サイトで、『月光』が「誰しもが号泣する屈指の名曲」と紹介されているのを読めば、いまの鬼束ちひろなら苦笑してしまうだろうけれど。
lelaはアイヌ語で「風」という意味らしいが、lela自身はアイヌ民族なのか、大和民族なのか。プロフィールに明記されていないので不明。
仮に彼女は大和民族で、北海道出身というだけでアイヌ語の芸名を付けたのだとしたら、アイヌ民族に少し失礼な気もする。
そういうlelaという新人が、鬼束ちひろの『月光』をカバーするのを、僕はどうしても素直に歓迎できない。でも『月光』のカバーが、lelaという新人がブレイクするきっかけになるなら、という鬼束ちひろの愛情が感じられるところは、少し素敵だと思う。
ただ、彼女のオリジナル曲である『裸の月』は悪くない。
間奏前のDメロ部分、調性が曖昧になる不思議なメロディーラインと彼女の声がよく合っている。
下記のYouTube動画で聴いてみて欲しい。
lela『裸の月』[PV]