日本有線放送大賞は今の時代に意味があるの?

日本有線放送大賞を見ていて、ふと思った。
「日本有線放送大賞って、いったい誰の意見を代表しているのだろうか?」
もっと言えば、「日本有線放送大賞って、意味があるの?」ということだ。
昔なら喫茶店やバーで、客が電話で有線放送に曲をリクエストすることが、その歌手やその曲がどれだけ人気があるかの指標になっただろう。
しかし、有線放送にリクエストした経験のある人が、21世紀の日本にどれくらいいるだろうか?
しかも、ウィキペディアによれば、「日本有線放送大賞」は、有線放送の最大手であるUSENは一切関係していない。USENはこの賞を主催している「全国有線音楽放送協会」に加盟していないのだ。
この協会に加盟している有線放送業者の中で最大手は、「キャンシステム」という会社だ。このキャンシステム社によせられた1年間のリクエスト回数にもとづいて、日本有線放送大賞は表彰されている。
読者の皆さんはおそらくUSENはご存知だろうが、キャンシステムという会社をご存じだろうか。
僕は知っている。何を隠そう、キャンシステムの社内情報システム部門の中途採用面接を受けに行ったことがあるからだ。
別に僕は、有線放送業界の専門家でも何でもないが、USENとキャンシステムを比較すると、インターネットへの対応が、両社の明暗を分けたことは誰にでもわかる。
実際、僕が面接でキャンシステムの本社を訪れたとき、事務所の中を見た瞬間に「ここではちょっと働く気になれないな」と思った。
低い天井、どれも古くなって暗めの蛍光灯、デスクの上に雑然と並べられたパイプファイル。面接場所はそんな薄暗い事務所の片隅を、パーティションで区切っただけの打ち合わせスペースだった。
メーカーの工場も同じで、オフィスの整理・整頓が行きとどいているかどうかは、その会社の業績と大きな関係がある。書類の整理もする余裕がないのは、根本的に業務効率が悪い証拠だからだ。
オフィスに入った瞬間にやる気がうせたので、面接後、キャンシステムからは、当然、不採用通知が届いた。
キャンシステムの話は別として、「有線放送」というものが、21世紀の日本で、歌手や曲の人気のバロメータにならないのは明らかだろう。
日本レコード大賞は、まだ十分その役割を果たしていると言える。いくら音楽ダウンロードが普及したとは言え、CDの売り上げ枚数は、オリコンチャートが今でも説得力を持っているように、重要な指標になる。
ただ、日本レコード大賞は単純にCDの売り上げ枚数基準ではなく、審査員が審査しているので、そのあたりの透明性の程度にはやや疑問符がつくが…。
そこで、僕として提案したいのは、日本有線放送大賞なんかやめて、その代わりに、全国のカラオケボックスで歌われた回数を基準に表彰する賞を作ったらどうか、ということだ。
有線放送よりは、カラオケの方がはるかに、歌手や曲の人気の指標として説得力があることには間違いない。
ぜひ、第一興商とJOY SOUNDとUGAの3社ぐらいでデータを集計して、日本有線放送大賞をやめて、「日本カラオケ大賞」、というと、何だか素人さんが登場してのど自慢する番組みたいなので、何か別の番組名で企画して欲しいものだ。