『ウェルかめ』の下らなさは、大阪の地盤沈下の象徴

昼間、テレビを見てもつまらない、というより、テレビの絵が目にうるさくなってきたので、かわりにFMラジオを聞いている。
しかし、どの放送局からも、聞こえてくるのはうるさい関西弁。関東圏と違って、クールだったり、おしゃれだったり、落ち着いて声を聞けるDJがほとんどいない。
しかもFM放送で、リスナーからお涙ちょうだい式のメールが送られてきたりする。それはAM放送でやってくれ。
もう大阪は、テレビを見ても、ラジオを聞いても、何もかもコテコテ。もっとあっさり、クールに、テンション低く、落ち着けないものだろうか。
NHK大阪放送局制作の『ウェルかめ』。予想どおり、ぜんぜんダメ。あまりにひどいので、もう全く見なくなってしまった。
脚本からしてダメ。ただ、だらだらと主人公をめぐる、日常の展開を描写しているだけで、プロットと言えるプロットがまったく存在しない。
まだ『だんだん』の方がプロットがあるだけましだった。30年前の古めかしいプロットだったが。
プロットがないと言えば、小津安二郎の映画の脚本もそうだが、小津安二郎の映画は一点の妥協も許さない様式美が本質。何のプロットもない脚本であっても、セリフの一つひとつが、徹底的にムダをそぎ落とされている。
『つばさ』の脚本には、1週間単位でちゃんと起承転結があったし、奇抜なファンタジー色もあったし、キャストの演技にも目新しさがあったし、全体的にドラマの企画としてはるかによくできていた。
NHK大阪放送局のドラマ班の、プロデュース力のレベルの低さは、いつまでも30年前の「大阪的なもの」にしがみついて、前へ進めない、大阪全体の地盤沈下を象徴している。
同時に、日本がますます東京一極集中型になっていくのではないか、という懸念を抱かせる。
※ちなみに僕は大阪出身だ。