香山リカ『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)を読んだ

香山リカ『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)を読み終えた。

僕のように勝間和代が大嫌いな人は必読。本書の第10章だけでも立ち読みして、溜飲を下げましょう。
だいたい勝間和代みたいな人間が、いろんなメディアで、「がんばらない奴は生きてる価値なし!」というメタ・メッセージを発し続けるから、環境に適応できずに疲れている人たちは、ますます追い詰められるのだ。
勝間和代のような、アングロサクソン的新自由主義かぶれのアジテーターの存在こそ、先進国中最悪の、年間自殺者3万人という日本の国の「後進性」をよく示している。
他にも本書には、大事なテーマが提示されている。
その一つは「生まれた意味を問わない」という章にある、自分を誰とも交替のきかない存在だなどと思わない方がいい、という部分。
むしろ、「替えのきく存在」であった方がいい、という主張。
サラリーマンというのは、言うまでもなく交換可能な職業だ。異動の発令があったら、後任者にちゃんと自分の仕事を引き継げる状態にしておくのが、会社からすれば望ましい。
サラリーマンは、アーティストや職人と違って、むしろ交換可能でなくてはならない。
だからこそ、サラリーマンは決して自分のやっている仕事に生きる意味など求めてはいけない。香山リカは、そう言い切っている。
もちろん精神科医らしく、この章の最後には、ジャック・ラカン研究者によるラカンの「無意識」の解釈を紹介して、生きる意味は無意識だけが知っているのかもしれない、と付け加えている。
とても読みやすいので、出張の新幹線の中で読むには、ちょうどよい本ではないかと思う。

香山リカ『しがみつかない生き方』(幻冬舎新書)を読んだ」への0件のフィードバック

  1. 日常の関心事

    ・・・・らしさ?

    香山リカさんといえば、最近朝の情報番組でよく観る。コメントの一つ一つに
    精神科医らしさがにじみ出ていると感じるよ。