日本中がムダな新型インフル対策をやらかしてしまう理由

新型インフルエンザ、本格的な流行とのこと。
テレビのニュースを見ていたら、東京ビッグサイトは大勢の人の集まる展示会での感染を防ぐために、発熱者用の部屋を用意したり、例のサーモグラフィーを用意したりしているらしい。
でも、発熱者がいて、別の部屋に案内したからといって、もしその人が検査の結果陽性であれば、すでに展示会場で感染が広がっていた、という事実が後になって分かるだけのことだ。
サーモグラフィーにいたっては、売店で缶ビールをひっかけて体温が上がった人と、熱中症で体温が上がった人と、ただの風邪で発熱している人と、新型インフルエンザで発熱している人の区別さえつかない、まったく無意味な機器だ。
そんなこと、ちょっと冷静になって考えてみればわかる。
ところが、今年の初め、政府が空港での「水際対策」でサーモグラフィーを使っていた様子を、マスコミがこぞって取り上げ、まるでその「水際対策」に一定の効果があったかのような厚労省の発表を、鵜呑みにして報道した。
そのせいで、すでに本格的な流行が始まったこの時期になってまで、サーモグラフィーを利用しようというバカを増やしてしまった。
東京ビッグサイトの出入口で、サーモグラフィーで例えば38度以上体温のある人間が分かったところで、それがいったい何の対策になるのか?
そういうまったく無意味な対策を、東京ビッグサイトのような大勢の人間が集まる施設の職員にさせてしまうところに、厚労省の感染症対策の根本的なおめでたさが現れている。
最近、基礎疾患があって新型インフルエンザで亡くなった方々の、感染経路も分かっていない。新型インフルエンザは、すでに感染経路が特定できない程度にまで流行しているのだ。
そういう状態で、何万人という人の集まる展示会場で「感染を予防する」という発想自体が、完全にナンセンスだ。
たとえ東京ビッグサイトが、何らかの方法で完全に来場者間の感染を100%防止できたとしても、そこから一歩外に出て、ゆりかもめやりんかい線の混雑した電車に来場者が乗り込めば、それでおしまいだ。
ではなぜ東京ビッグサイトが、完全に無意味な対策をするのか。
それは、何もしなければ、何もしていないというだけで、日本中のおバカさんたちから非難されるからだ。
マスコミの情報を鵜呑みにして、いままでの厚労省の感染症対策は正しいと信じ込んでしまった国民から、「東京ビッグサイトは何も対策をしていないのか!」とクレームをつけられるのを恐れているからだ。
学校も民間企業も同じ。
生徒や社員に、手洗いとうがいの励行をしているが、それでも感染が広がっているから、本格的な流行期に入っているのであって、同じ教室や事務所に、大勢の生徒や教員、社員を入らせている段階で、いくら手洗いやうがいをしたって無意味なのだ。
そんなこと、ちょっと冷静になって考えればわかる。
なのに、完全に無意味な対策をとるのは、やっぱり世間から非難されたくない、それだけの理由なのだ。
まったく無意味だった厚労省の「水際対策」の映像が、マスコミを通じて大々的に報道され、国民の大部分がそれが有効だったと信じ込まされた。
そのせいで、本格的な流行期になった今になっても、日本中で似たような猿芝居が展開されているのである。
本当に流行拡大を抑え込みたいなら、高校野球や展示会は当然、中止勧告すべきだし、夏休み中の登校日などは、もってのほかで、当然、文科省が中止させるべきだ。(どうぜ文科省は、新型インフル対策は厚労省の仕事で、うちらの仕事じゃないと思っているんだろう)
これからも、日本各地で新型インフルの感染を「防止」するための猿芝居が、全面的に展開される。その様子が、マスコミを通じて報道されることになるだろう。
もちろん、あなたの所属する組織でも、ちょっと考えれば、完全に無意味な対策が励行されることになるだろう。