柴田淳、知る人ぞ知る奇跡のシンガーソング・ライター

今日はシンガーソングライター・柴田淳の歌を歌うのが難しい理由を、楽譜をつかって説明したい。

最近、柴田淳が作詞・作曲した曲を歌うのがとてもお気に入りなのだが、譜割りを正確に歌うのが異常に難しく感じることがよくある。
今おぼえている最中の7thシングル『あなたとの日々』のワンコーラスめのサビを楽譜に落としてみた。
サビの歌詞は次のとおり。
「もっともっと 愛してくれなくていい
 きっときっと あなたにはわからない
 ずっとずっと そんな想い秘めたまま
 続いてゆく毎日」
この「もっともっと」「きっときっと」「ずっとずっと」は、歌詞を見ただけだと、きっと同じ譜割りになっているんだろうなぁ~と期待してしまうが、残念ながらそう簡単にはいかない。
楽譜を見てほしい。手持ちのMusic CreatorにG# majorという調がなかったので、調はAb majorにしてある。
Anatatonobihi01
1段目が「もっともっと」
2段目が「きっときっと」
3段目が「ずっとずっと」だ。
すべて微妙に違っているのがお分かり頂けるだろう。
「もっともっと」は表拍から始まるので分かりやすいが、そう思って油断していると、次の「きっときっと」はシンコペーションで始まる。
なら次の「ずっとずっと」も裏拍からだろうと思っていると、また期待を裏切って表拍から始まる。
しかし、表拍から始まるのなら、最初の「きっときっと」と同じ譜割りだろうと期待していると、「きっときっと」の後半はすべて表拍なのに、「ずっとずっと」の後半はすべて裏拍になっている。
しかも、ツーコーラスめのサビの譜割りは、このパターンとはまた違っている。
柴田淳の書くメロディーは、このように、とっても繊細なのだ。
だから『あなたとの日々』のように、ふつうのアップテンポなPOPSに聞こえて、実は歌詞の内容と同様、かなりひねくれた曲がたくさんある。
それが柴田淳の楽曲の何よりの魅力になっている。