もう一つの「足利事件」、不自然な死刑執行タイミング

先日、DNA再鑑定で「白」となり、菅家さんが釈放された足利事件。
この事件に関してビデオニュース・ドットコムで驚くべき事実を知った。
じつは「東の足利、西の飯塚」と言われ、足利事件と同じ時期に起こった「飯塚事件」という事件があるらしい。
足利事件と同じ「MCT118」というDNA鑑定で、被告の有罪が確定し、被害者が女児2人のため、量刑は死刑となった。
飯塚事件は、足利事件と違って自白さえなく、純粋にDNA鑑定だけで死刑判決が確定した。
ところが、この飯塚事件について、恐ろしい経緯があるらしいのだ。
昨年、2008年10月中旬に、足利事件について、東京高裁がDNA再鑑定を行うことを決定された。弁護団の申請が受けいられたのだ。
このことは当然マスコミでも取り上げられた。
そこで、足利事件の弁護団と連携していた飯塚事件の弁護団も、刑務所の久間(くま)さんに面会し、DNA再鑑定を申請する方針で話し合った。
しかし、その約10日後、久間さんの死刑が執行されたのだ。
死刑執行の署名をするのは、ご存知の通り法務大臣だが、久間さんの死刑執行に署名したのは、現法務大臣の森英介氏である。
なおかつ、久間さんの死刑が執行された当時、先に死刑が確定しており、かつ、再審請求をしていない死刑囚は多数いたという。
ウィキペディアによれば久間さんの死刑執行当時の死刑判決順位は100人中61番目だったとのこと。
久間さんの死刑は不自然に早く、しかも、不自然なタイミング、つまり、足利事件のDNA再鑑定が決まった直後に、執行された。
これを単なる偶然と考えるのは、かなり無理があるだろう。
森英介法務大臣が足利事件のDNA再鑑定決定のニュースを知らなかったはずはない。
であれば、森英介法務大臣は、同じDNA鑑定手法で有罪の確定した久間さんについて、少なくとも死刑の執行を一定の期間見合わせ、再審請求されるかどうかを見極めるべきではなかったか。
しかも死刑は、いったん執行されれば取り返しがつかない。なおさら森英介法務大臣は、久間さんの死刑執行に慎重になるべきだった。
にもかかわらず、足利事件のDNA再鑑定決定直後という、極めて不自然なタイミングで、他の死刑囚に先だって、久間さんの死刑が執行された。
法務大臣自ら、このように、国民に疑いを持たれても仕方のないような死刑の執行をしていたのでは、かえって死刑廃止論議を後押しするようなものではないだろうか。
こういう法務大臣のふるまいを見るにつけても、まず、政権交代が必要なのではないか?