刑法のイロハを知らない麻生首相

麻生首相は日本のトップなのに、「刑事裁判は、裁判が終わるまで有罪か無罪か決まらない」という、小学生でもわかっているような当たり前のことを理解されていないようだ。
先日の党首討論で麻生総理はこのように話している。
「やっぱり国民からして今、最大の関心事は西松(建設)の問題だと思います。
ぜひこれまで、いろいろな論議をつみ重ねて、少なくとも後援会には企業・団体からの寄付は禁止になったわけですから。
そういった意味では、それを犯された方がそこ(=民主党の意味)にいらっしゃるわけです」

みなさん当然のこととしてご承知のように、民主党・小沢一郎氏の元秘書は逮捕・起訴されただけで、まだ裁判は始まっていない。
刑事裁判が始まってもいないのに、麻生総理は起訴された人物が罪を「犯した」と、国会の党首討論の場で、恥ずかしげもなく、堂々と話したのだ。
これは国家の首長として、致命的なミスではないだろうか。
しかもこの直後、麻生総理は、もう一つ致命的なミスをしている。
民主党の鳩山党首が、保釈された小沢一郎氏の秘書が、政治資金規正法にのっとって正しいことを行ったと言っている、と反論したのに対して、麻生総理はつぎのように言ったのだ。
「本人(=小沢一郎氏の秘書のこと)が正しいと思ったというお話ですけれども...
本人が正しいと思ったことであっても、少なくとも間違った場合は、逮捕されるということは十分にあるんであって...
それは国策捜査ということには当たらないのではないかと」

わが国の刑法38条1項には次のように書いてある。
「罪を犯す意思がない行為は、罰しない」
もちろん過失不作為が認定される場合もあるが、刑法は故意の行為しか罰しないというのが大原則である。
しかし、麻生総理は、「本人が正しいと思ったことであっても、間違った場合は、逮捕されることは十分ある」と言い切っている。
麻生総理は刑法38条1項にある、刑法の非常に基本的な考え方さえ理解していないのだ。
まだ始まってもいない刑事裁判の被告を有罪あつかいしたり、故意でない限り罰せられないという、刑法の基本を理解していなかったり。
これが、その辺の一般市民ならまだ許されるだろうが、一国の総理が、完全に誤った法律上の認識をもって国を治めているのだ。
麻生太郎氏に首相をつとめる資格がないことは、もはや明々白々だ。
しかし、マスメディアはどうしてこんなに重要なことを、きっちりと国民に報道しないのだろうか。
麻生総理も麻生総理なら、マスメディアもマスメディアだ。
結局、テレビ局で働いている高給とりたちも、自民党にすがって自分たちの既得権益を守りたいだけなのだろう。