佐藤俊樹著『意味とシステム』を読んでいる

佐藤俊樹著『意味とシステム~ルーマンをめぐる理論社会学的探求』(勁草書房)はやっぱり面白い。

二クラス・ニューマンの社会システム論の解説書なのだが、いきなりルーマンのシステム理論の限界を指摘するところから始まるので、ルーマンに埋没することなく、冷めた目でルーマンを理解することができる(あるいは理解した気になることができる)。
前半はルーマン理論のコアな部分の解説になっていて、第二章は長岡克行氏の佐藤氏に対する批判への反論をしつつ、ルーマンのシステム理論の限界をつきつめていくスリリングな展開。
後半はシステム理論の応用編で、おそらく会社員にとっては「第五章 官僚制と官僚制化:組織システム論の視界と限界」が非常に面白いだろう。
法システムと官僚制システム(よく誤解されるのだが、官僚制というのはいわゆるお役所組織のことではなく、マックス・ウェーバーの定義によれば、私企業の会社組織こそ典型的な官僚制組織ということになる)の違いと、この2つのシステムの相互関係から、会社組織の本質をシステム理論の観点から理解できる。
著者の佐藤氏は、ルーマン理論の魅力は、抽象的な理論体系としてではなく、実際の社会事象の分析に幅広く適用できる点にあると、本書の中でくり返し書いているが、この官僚制組織の章は、まさにそのことがはっきりと示されている。
僕はルーマンの『社会システム』の英訳本を最初の50ページで挫折してしまったが、ルーマンってこんなに面白かったのかと思わせてくれる貴重な本だ。
って、まだこの本を読み終わっていないのだけれど。