日本人の子供は本当に自分が嫌いなのか?

大阪に転居して1か月以上、新聞を読んでいないが、大して困らない。ニュースはテレビとネットで十分。
Yahoo!ニュースの産経新聞の記事に『都教委、小学生に“自尊教育” 中高生の半数「自分に否定的」』というのがあった。
東京都教育委員会や、財団法人「日本青少年研究所」の調査によれば、日本の子供たちは他の国に比べて自分が嫌いな率が高いとのこと。そこで東京都は小学校1校で、試験的に”自尊教育”を実施するらしい。
しかし、子供たち自身に、自分のことが好きか嫌いか、「私は他の人々に劣らず価値のある人間である」か(上記財団法人の調査質問)質問して、回答がNoだから、すなわち日本の子供たちの自尊感情が低いというのは短絡した発想だ。
子供たちの心情をより正確にくみ取れば、単にこういうことじゃないか。
「『自分が好きだ』なんて思っていたら、ウザいヤツだといじめられるだけだから、『自分が嫌いだ』と思っておくのがが安全だ」
これは日本の子供社会に限ったことではない。日本の大人社会だって、自尊心の高い人間は組織からはじき出される。子供だって小学生にもなれば、その程度の「空気」は読める。
日本人は子供のころから自己卑下のポーズをとることで、社会との摩擦を少なくするノウハウをすでに身につけている。それだけのことだ。
本音を言えば、きっと誰でも自分のことが好きなはずだ。
「私は『自分のことが嫌い』なんて言っているけれど、本当は、好きなところがある。でもそういうところは誰かに認めてもらえなくたっていい。どうせ自慢したってウザがられるだけだから、私自身が分かっていればいい。私自身が私のいいところを理解してあげれればそれでいい」
なんだかJ-POPの歌詞の要約みたいだが、こういう、いわば屈折した強力な自己愛こそが、自分のことが嫌いだというポーズをとり続けるパワーになっているのだ。
東京都教育委員会や、財団法人「日本青少年研究所」は、アンケート結果の読み方を完全に間違えている。
社会との関係で、子供だけでなく、大人も含めた日本人一般が、いかに屈折した自尊感情を持っているかという読み方をすべきである。
そして、むしろストレートに「自分が好き」と言える他国(例えば米国や中国)の子供たちのナイーブさに疑問を持つべきなのだ。