小幡績著『すべての経済はバブルに通じる』を読んだ

今さらながら小幡績著『すべての経済はバブルに通じる』(光文社新書)を読んだ。証券化という金融技術のもつ機能を明快に解説し、世間のバブルについての常識をバッサリ斬っている。
サブプライムローンに端を発する金融危機が、過去のバブルとどう違うのか。現代の金融資本主義において発生するバブルに、とういう本質的な変化が起きているのか。解説は明晰だ。さすが東大経済学部主席卒業。

終盤にある今年2008年の、上海株式市場暴落に始まる世界の株式市場暴落の解説はやや退屈だが、実はその退屈さこそがバブルの本質をよく表現していると言えるだろう。
本書にはたびたび、岩井克人の「貨幣は貨幣であるから貨幣なのだ」という貨幣の定義が引用されている。小幡氏はバブルもあらゆる根拠付けを逃れ、かつ、現代の資本主義に構造的に組み込まれた不可避の現象だと書いている。
では世界経済はもう永遠に金融バブルから逃れられないのか。小幡氏は本書の最後に興味深い見通しを書いている。サブプライムローン問題とは何だったのか。総括する上で必読書。