今晩のNHKスペシャル『裁判員制度』は「八百長」番組

今晩のNHKスペシャル『日本の、これから―裁判員制度』の最後の部分を見ていたが、キャスターの三宅民夫氏は番組の最後の最後で、予想どおり「議論を深めながら裁判員制度を行っていく必要がある」と、裁判員制度の来年5月の開始にはっきりと賛成の立場を示した。
視聴者からのリアルタイムの意見集計では、反対が賛成の約2倍もあったのに、裁判員制度に賛成の三宅民夫氏が司会するとは、「八百長」番組と非難されても仕方ないだろう。
スタジオにいた裁判員制度を「熱狂的に」支持している市民は、いずれも高齢者。対して、冷静に反対している市民は、僕と同年代の30代と20代がほとんど。
これで来年5月からの裁判員制度がどうなるか見えた。
積極的に裁判員に参加するのは、現役を引退した比較的裕福な、つまり保守的な年金生活者で、近代司法の原則(権力の国家への集中と推定無罪の原則)を全く理解しておらず、古き良きムラ社会の延長線上に、現代社会が成り立っていると勘違いしている老人が大半を占めるだろう。
そして20代、30代、40代の働き盛りのほとんどが裁判員を辞退・拒否するだろう。
これで「市民感覚の反映」という美辞麗句は、文字通り単なる美辞麗句になる。非常に偏った保守的な意見が刑事裁判の審議の場に反映されることになる。

今晩のNHKスペシャルは、司会の三宅民夫の、最初から決まっていたとしか思えない結論づけも含め、裁判員制度の暗い行く末の、見事な「状況証拠」になっていたと言える。
番組の最後の方で、反対派の会社員の一人が、裁判員制度を含む司法制度改革は、米国からの政治的圧力の結果であり、「市民感覚の反映」など、後づけの美辞麗句ではないのかと、裁判員制度を作った関係者に詰め寄った。
それに対して、関係者は意図的にまったく的外れな回答をし、かえって裁判員制度が国民の総意にもとづくものではないことを露呈していた。
質問者の会社員は、回答がまったく的外れであることを正しく理解して、ただただあきれたような表情をしていたのに、司会の三宅民夫氏はその意図的に的を外した回答に、真剣に耳を傾けるという愚かさ加減。この場面は、かなりの見ものだった。
まあ日本というのは、この程度の国なのだ。
(今回も『裁判員制度の正体』を紹介しておく。裁判員制度が廃止されるまで何度でも紹介する)

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