さすがNHKのニュース、裁判員辞退事例のレポート

今晩のNHK9時のニュースで、裁判員の通知を受け取った漁船の熟練操縦士が、社長と相談の上、辞退の返信をしたというレポートが放送された。なかなか画期的な報道だ。
操縦士がいなければ、当然、漁師がいても船を出せないので漁ができない。1日漁に出られなければ数百万円の損失というから死活問題だ。
仮にこの漁師の辞退を裁判所が認めなければ、裁判所は国民に「失業しても裁判所へ来い」と行っているのと同じことになる。
漁師のような一次産業者や自営業者、非正規雇用者にとって、裁判員の審議に強制的に呼び出されることは、まさに死活問題だ。
この漁師さんはもちろん顔を映さず、匿名で紹介されていたが、その後姿や社長の顔は放送されたので、分かる人には分かるだろう。そもそもこの人を知らない人は、顔を見たって誰だか分からない。
これが裁判所の禁じている、裁判員になったことを公にすることに当たらないのか興味のあるところだ。
また、この漁師さんはインタビューに答えて、誰彼かまわず裁判員にするんじゃなくて、やりたいという人だけを裁判員にすればいいじゃないかと、非常に全うな意見をおっしゃっていた。

その通り。だから「裁判をやりたい」という人間を、何年もかけて法律家として養成し、裁判官にして人を裁かせてきたのだ。
この漁師さんの率直な感想に、裁判員制度が国民の意見とまったく無関係に、裁判員制度導入の「狂信者」によって無理やり作られた制度だということが、はっきりと現われている。
さすがNHK、裁判員のテレビCMの広告費というエサに食いついて、裁判員制度に対する批判的な報道に及び腰の民放と違う。NHKにはどんどん裁判員辞退者の事例を紹介してほしい。
先日もご紹介したように、裁判員を合法的に辞退する方法はたくさんある。
『裁判員制度の正体』(講談社現代新書)の第9章に書いてあるので、みんなで辞退して、国民の合意に基づかない、ずさんな制度は一日も早く廃止に追い込もう。