社員持ち株会ほどバカらしいものはない

ぺ・ヨンジュンさんが所属プロダクションの親会社の株式を保有していて、金融危機で年初来10億円の損失になっているそうだ。
このニュースで思い出したが、「社員持ち株会」ほどバカらしいものはない。
資金運用の基本は「リスク分散」だ。同じカゴにすべての玉子を入れれば、そのカゴがひっくりかえると、すべての玉子が割れる。玉子はいくつかのカゴに分散すべきである。
「社員持ち株会」で勤務先の会社の株など買えば、自分の会社の業績が下がれば、賞与も下がるし、株価も下がる。
もちろん業績が上がれば、賞与も株価も上がるが、そんな風にリスクをとりたいなら、インサイダー取引規制で売買しづらい勤務先の株より、もっと他に買うべき株があるはずではないか。逆にリスクを分散したいなら、勤務先の株と逆の値動きをする銘柄を買うべきだ。
こんなこと少し考えれば分かる。既に上場している会社の場合、「社員持ち株会」など完全なナンセンスで、会社への安っぽい忠誠心以外の何物でもない。
年収の何十倍ものレバレッジを効かせて(銀行から数千万単位で借金して)、買った瞬間に価値が下がり続ける資産、つまり「持ち家」に投資するのと同じくらいナンセンスだ。
日本の一般的な会社員の生活は、高度経済成長以降の数十年間はこうした「常識」の上に成り立ってきた。
それは日本の株価が長期的には上昇し続け、不動産の資産価値も長期的には上昇し続けるという、2008年にはまったく当てはまらない前提条件があって、辛うじて成り立っていた「常識」にすぎない。
前提条件がすっかり変わってしまったのに、いまだに自分の親の世代と同じように「社員持ち株会」で自分の会社の株を買い、「持ち家」で家計の貸借対照表をふくらませることを「常識」だと勘違いし続けているようなレベルの会社員たちが、都市票を支えているのだから、こんな自民党総裁が生まれるのは当然といえば当然だ。