裁判員制度は憲法違反!?

ビデオニュース・ドットコムのマル激トーク・オン・ディマンド第398回「今あらためて問う、この裁判員制度で本当にいいのか』を見て、裁判員制度がとんでもない制度だということがよくわかった。

裁判員制度は読者の皆さんにとっても他人事ではない。いつ呼び出されるか分からない。月額500円を一回払ってでも、今回のビデオニュース・ドットコムは絶対に見てほしい。
まず裁判員制度の成立そのものが「茶番」だったという事実がある。
裁判員制度は司法制度改革審議会で内容が議論され、その結論を受け、小泉首相の鶴の一声で、衆参あわせてたった4週間の審議で成立した、急ごしらえの法律だ。
しかも、その審議会のメンバー13名中、刑事裁判の実務家は一人もいなかった。7名が法律の素人、3名は法廷に立ったことのない法学者。唯一裁判官経験のあるメンバーは民事の専門家。
これだけ偏ったメンバーなら、お役人が初めから裁判員制度自体を骨抜きにするつもりだったと考えるのが自然だろう。
さらに、裁判員制度が多くの点で憲法に違反しているという議論もある。
現行憲法は裁判官による裁判しか想定しておらず、裁判員制度の存在自体が憲法と矛盾しているおそれがある。
また、憲法には、裁判官は独立であって憲法と法律にのみ拘束されるとあるが、裁判員制度では、裁判員の意見が一致すれば、裁判官は意に反する判決を書かなければいけない。これも憲法と矛盾する。
また、憲法は、被告人が「公平な裁判所の裁判」を受ける権利を定めているが、裁判員制度では、国民の参加を促すために(国民に逃げられないように)、裁判の審議をおおむね3日間で終わらせると公言している。
被告が犯行を認めている場合でさえ4日はかかると言われる刑事裁判の手続きを、3日間にすると公言しているような裁判が、公平な裁判所による裁判と言えるか、という問題がある。
また、裁判員制度では、途中で裁判員が足りなくなった場合、裁判員を選びなおして入れ替える仕組みになっており、証拠のすべてを見ていない裁判員が量刑を決めるケースが出てくる。
これらの点で、公平な裁判所による裁判とはとても言えない、ずさんな裁判が行われることになり、憲法に反している可能性がある。
また、裁判員として呼び出される国民の立場からすると、国家によって強制的に呼び出され、本人の意思とは無関係に裁判に参加させられ、その内容については他人に一切話してはならず、話すと懲役または罰金になる。
これは憲法が禁じている「意に反する苦役」にあたり、この点でも憲法に反しているおそれがある。
国家が国民に特定の労役を強制的に課するという、今回の裁判員制度は、徴兵制への布石だとする法律家もいるらしい。
さらに驚くべきことには、裁判員制度が違憲のおそれがあるということは、上述の司法制度改革審議会でいっさい議論されなかったという事実だ。
法律の素人が過半数を占めているような審議会なら当たり前の結果だが、ここにもお役人のずるがしこさが透けて見える。
その他、裁判員制度がなぜ、裁判員の心理的負担が軽いはずの民事訴訟ではなく、わざわざ刑事事件だけを対象としているのかなど、今回のマル激トークオンディマンドは目からウロコの論点ばかり。500円の価値は十二分にあるので、ぜひご覧いただきたい。
ところで、不幸にも裁判員のお呼びがかかった場合、この「苦役」から逃れる方法があるらしい。
裁判員は周知のように事前の面接がある。これは思想面の偏りをチェックする面接なので、このチャンスを利用しない手はない。
「私は死刑制度には絶対に反対です!」
面接の席でこう言い張ろう。そうすれば、ほぼ確実に裁判員から外され、読者の皆さんは平穏な日々を送ることができる。
そのかわり、冤罪で死刑になる人が多少増えるかもしれないが、自分自身が冤罪で死刑にならないよう、祈りながら生活するしかない。
『私は貝になりたい』は決して50年前の昔話ではなく、裁判員制度の施行によっていよいよ現実味を帯びてくるのだ。