職場うつ病を扱った『ガイアの夜明け』はダメ番組

今日のテレビ東京系『ガイアの夜明け』で職場のうつ病を取り上げていたが、相変わらず経済合理性一辺倒で、NHKと違って問題の掘り下げが浅い。まったくダメな番組だ。
神奈川トヨタの取り組みを模範例のように延々と紹介していたが、見当違いもはなはだしい。
うつ病社員が神奈川トヨタにとってコスト増になり、そのコストを削減するために、うつ病社員の復帰プログラムに真剣に取り組むのは、うつ病社員の首を切らないという前提があって初めて成立する状態である。
逆に言えば、うつ病の社員を、いろいろな理由をつけて首を切ってしまえる企業にとって、うつ病社員はコスト増にならない。
なぜなら、うつ病になればすぐに解雇して、代わりの社員を雇えばいいからだ。たしかに新入社員の教育コストはかかるが、うつ病社員を雇い続けるよりは確実に安く上がる。
一握りの大企業を除いて、日本の大多数の企業が、社員のうつ病対策に真剣に取り組まないのは、うつ病の社員を解雇することで、うつ病社員を雇用し続けるコストを回避できるからである。
経済合理性だけを根拠にする場合、企業として最も合理的なのは、うつ病社員をいろいろな難癖をつけて解雇することである。そしてこちらの方こそ、ほとんどの企業が今まで行ってきたことであるし、現在も行っていることである。
今日の『ガイアの夜明け』はそういう現実から目をそむけ、神奈川トヨタのような終身雇用を前提とする企業の、極めて特殊な事例を、あたかも模範例であるかのように延々と紹介していたのだ。
この番組のディレクターの認識レベルの低さは救いようがない。