「埋蔵金」とは本来国民が使い方を決める「剰余金」

民主党のマニフェストに財源の裏づけがないと、自民党が批判している点で、よく「埋蔵金」が話題になる。
「埋蔵金」というネーミングが「徳川埋蔵金」を連想させ、「そんなものあるはずがない」と思われがちだが、ビデオニュースドットコムの第393回マル激トーク・オン・ディマンドを観ると、とても単純な話であることがわかる。

民間企業は、毎年利益が出ると、そのうちいくらを内部留保して投資の元手にし、いくらを株主に配当金として分配するかを、株主が決める。
各省庁やその傘下にある特殊法人でも、同じことが起こっている。
資金を運用している場合は利益が出るし、予算に余りが出ることもある。これが民間企業の利益にあたるものだ。
各省庁、特殊法人、特別会計などの「株主」に当たるのは、それらに税金というかたちで資金を提供している国民である。
だから本来は、国民を代表する国会が、それらの「利益」をどう使うかを決める。
ところが、国会が「利益」の使い方を決めているのは、各省庁や特殊法人の予算のうち、「一般会計」と呼ばれる部分だけなのだ。
「特別会計」の部分は、まったく不思議なことに、各省庁の官僚たちが勝手に使い方を決めているのである。
民間企業になぞらえれば、株主の議決を得ずに、経営陣や従業員が、勝手に利益の処分を決めているのだ。
官僚たちは、もともと自分たちに決定権のない特別会計の「利益」を、国民の知らないうちに既得権益化して、勝手に使い方を決めている。
それを本来の姿、つまり、国会を通じて国民が使い方を決める「一般会計」化しようというのが、民主党の主張である。この民主党の主張のどこがおかしいというのだろうか?
自民党がこの民主党の、非常にまっとうな主張を批判するのは、要するに官僚と結託した族議員がいるからだ。

「埋蔵金」というのは、問題の一面しか見ていない言い方であって、本来国民が用途を決めるべき国の予算が、いつの間にか官僚たちに勝手に用途を決められてしまっているので、本来の姿にもどしましょう、ということを言っているにすぎないのだ。
しかし一般会計よりも特殊会計が倍以上あるというのは、日本の官僚組織がいかに腐敗しているか、ということを如実にあらわしている。
自分たちで勝手に「利益」の使い道を考えられるので、そういうものは自分たちの天下り先の特殊法人に流れたり、箱物行政に流れたりするのである。
詳しくはビデオニュースドットコムの第393回マル激トーク・オン・ディマンドを観てほしい。
東京大学理学部数学科卒業の第一級の数学者で、かつ、元大蔵官僚の高橋洋一氏が、元大蔵官僚ならでは鋭い視点で「埋蔵金」問題をスッキリと説明してくれている。