森岡正博氏の鼎談に田中エリスを思い出す

ビデオニュース・ドット・コムの第386回マル激トーク・オン・ディマンドに大阪府立大学教授・森岡正博氏が登場し、男らしい男の対極にある「草食系男子」の恋愛について宮台真司と議論していた。

森岡正博氏は、もう十年くらい前か、氏の出席する何かのシンポジウムを聴きに行ったことがあり、そのシンポジウム終わりで長い黒髪の美しい田中エリスさんといっしょに出てきたのが印象的だった。
当時、僕は田中エリスさんと知り合いだったのだが、なぜネットアイドルの彼女と知り合いだったのか、これも抗不安剤の副作用か、残念ながら完全に忘れてしまった。推測するに、当時僕が自分のウェブサイトに書いた『エヴァンゲリオン』の評論に感想メールを頂いたのではないか。
自分の過去を推測で再構築しなければいけないとは、何と悲しいことだろう。過去の自分がまるで他人のようだ。
それはいいとして、トーク・オン・ディマンドの議論の中で森岡正博氏は、自分が男性であることに対する嫌悪を、宮台真司は小学生時代、女の子とばかり遊んでいた原体験を語っていた。
過去にこの「愛と苦悩の日記」にも書いたが、僕も小学生時代は女の子とばかり遊び、自分が男性であることを今でも嫌悪している男性の一人だ。性同一性障害というわけではないが、「男らしい男」のステレオタイプに自分がハマることを意識的に拒絶している。
驚いたのは、森岡正博氏にとってそのような「男性学」的な問題意識が、いまだに問い続けるべき課題として存在していることだった。ということは、おそらく男性性への嫌悪は年齢によって解消する問題ではなく、僕もこのままずっと自分の男性性に嫌悪を抱き続けるのかもしれないと思った。
ただ、同じ男性であっても、男性性への嫌悪という「草食系男子」的な感覚に共感できる人々と、そうでない人々は、森岡正博氏や宮台真司より若い僕の世代であっても真っ二つに別れそうな気がする。
僕より若い、たとえば今二十代の男性の間ではどうなのだろうか。僕の世代よりもさらに「男らしくない男」への許容度は上がっているのだろうか。
いずれにせよ今回のトーク・オン・ディマンドの森岡正博氏の話は、大学一、二年生の頃、ほとんど女装に近い服装をして、男性性の拒否を行動に移していた自分自身を、懐かしく思い出してしまう鼎談だった。