鬼畜ロシア人を描いた『霧の火』

夏になると戦争被害者としての日本を描いたテレビドラマばかりでうんざりするが、同じ被害者意識一辺倒のドラマでも、今日放送された日本テレビ『霧の火』はやや傾向が違った。(もちろん好きで見たわけではない)
北京オリンピック期間中、ロシアが南オセチア自治州を攻撃したように、カスピ海の原油をめぐってロシアは欧米と再び「冷戦」状態に入ろうとしている。
そこで、おそらく米国の同盟国である日本の政府は、日本テレビを利用したのだろう。この『霧の火』というドラマでは、日本の降伏後、樺太に侵攻したソ連軍が、日本の民間人に対して略奪や婦女暴行を繰り返す「鬼畜」として描かれていた。
ソ連軍について、それ以上の描写はまったくなし。単に主人公の少女を凌辱し、主人公の少女の父親を銃殺する野蛮人として描かれている。
ラストに北海道出身で右翼の松山千春の歌う主題歌が流れて来たのは、やり過ぎの感がある。
このドラマの視聴者は「降伏後もこんな戦争があったのか」「やはり戦争は繰り返してはいけない」という表向きの感想とともに、「ロシア人は降伏後の日本の民間人にこんなひどいことをしていたのか」という情報を刷り込まれることになる。
お見事です。日本テレビと、広告代理店と(?)、米国の同盟国である日本政府関係者の皆さん。