交通死減らせるなら、自殺も減らせるはず

時事通信によれば今年の交通事故死は56年ぶり(!)に5,000人を下回る可能性があるという。飲酒運転の厳罰化などが影響しているらしい。
立法・行政の努力で交通事故死を減らせるなら、当然、年間3万人の自殺者も減らせるはずだ。
自殺者が増加の一途なのは、小泉政権時代の偏ったネオリベ政策の結果、「失敗者」「負け組」に対するセーフティーネットがなくなり、「死ぬしかない」状況に追い込まれる国民の人数がそれだけ増えたから、としか説明しようがない。
交通事故死も、自殺も、人の命が失われることは、国家にとっては経済的損失でもある。とくに働き盛りの年代が就業機会を奪われたり、過労によるうつ病で自殺したりする事例の増加は、長期的に確実に経済的な損失をもたらす。
長時間残業に対する規制を強化することは、短期的に企業のコスト増になるが、長期的には再生産を通じて国家にとって利益になるはず。飲酒運転の厳罰化が、短期的にアルコール飲料メーカや飲食店の減収になっても、長期的には利益になるのと同じこと。
だとすれば、長時間残業の規制を強化せず、飲酒運転は厳罰化する、というのは、明らかに「偏った」政策だ。
長時間残業の規制を強化すれば、短期的に労働生産性を向上できない企業は、同じ結果を出すために雇用を増やすしかない。そうすれば一定の雇用機会の拡大につながる。
もちろん経営者団体は猛反発するだろうが、一般大衆の支持という点では、飲酒運転の厳罰化よりも、長時間残業の規制強化の方が、政府にとってははるかに支持を得やすいはずだ。
それでも政府は自殺者を減らすための立法に、あまり積極的でないように見える。
交通事故が減っているのに、自殺者が減らないのは、明らかに政府の怠慢だ。