耐え難く無意味な思い込み

サラリーマン生活では、なぜこんな単純な理屈も分からないのかというバカげた企画に延々と付き合わされることが多々ある。僕にとってサラリーマン生活で最も耐え難いことの一つだ。
例えば、あなたが、友だちの自宅の電話番号と、携帯電話の番号を知っていたとしよう。友だちは家族と一緒に暮らしているとする。
その友だちに確実に連絡を取りたければ、あなたは、まずどちらの番号にかけるか。当然、携帯電話の番号だろう。
次に、あなたが、取引先の担当者のダイヤルイン番号と、携帯電話の番号を知っていたとしよう。
その取引先の担当者に確実に連絡を取りたければ、あなたは、まずどちらの番号にかけるか。当然、携帯電話の番号だろう。
さらに、その取引先の電話が、ダイヤルインに掛かってきた電話を、担当者の携帯電話番号に自動転送する機能をもっていたとする。
ただし、この自動転送機能は、その担当者自身が、外出するとき忘れずに、ボタンを押してONにし、帰社したら、ボタンを押してOFFにする必要があるとする。
この条件で、その担当者に確実に連絡を取りたければ、あなたは、まずどちらの番号にかけるか。当然、ダイヤルインではなく、携帯電話番号だろう。
理由は説明するまでもない。携帯電話番号にかければ、100%その担当者の手元にある携帯電話が鳴る。しかし、ダイヤルイン番号にかけると、一定の確率で、その担当者が自動転送機能をONにし忘れていて、携帯電話に転送されない可能性があるからだ。
したがって、普通の知能のある人間なら、当然、まず携帯電話番号にかけるはずだ。
ところが、「こういう自動転送機能があれば、ほとんどの人間が、その担当者のダイヤルイン番号の方に、まずかけて来るようになる」と言い張る人物が、僕の身近にいるのだ。
唯一考えられる理由は、固定電話から発信している場合、電話料金が安くなることだ。例えば、3分20円が、50円になる。
しかし、仮に30分間話し続けても300円の差しかない。わずか300円のために、わざわざ、まずつながりにくいダイヤルイン番号にかけることを習慣にする愚か者がどこにいるか。
かくも無意味な思い込みに延々と付き合わされる身にもなって欲しい。どうすればこの無意味さから逃れられるだろうか。