映画館が「自粛」ならネット上映を

いま上映「自粛」で話題になっている映画だが、よく考えるとプロモーションとしては大成功ではないか。これだけ話題になっているのだ。見たい!と思っている人はドキュメンタリー映画としては破格な人数になるはずだ。
インターネットで上映するとか、早めにDVD化してしまうなどすれば、商業的に大成功し、かつ上映に無言の圧力を加えた団体に対して見事な反撃を加えることができる。
ところで、この問題でとても疑問を感じたのは、テレビ朝日の朝の番組『やじうまプラス』でのベテラン男性アナウンサーの発言だ。「この問題、国も対応する必要があるんじゃないですか」という発言を、少なくとも2回聞いた。
言論の自由は憲法に定められている権利だ。憲法は国家権力に対抗して、個人の権利を守るためのものだ。その言論の自由がおびやかされている問題について、国に対応を求めるというのは、筋違いもはなはだしい。
言うまでもなく、言論の自由を守ってくれているのは国家ではない。言論の自由は、国家権力を制限することで個人が勝ち取り、その結果として憲法に定められたものである。
言論の自由は誰が守ってくれるものでもない。一人ひとりが絶えず維持する努力をしなければ、いとも簡単に失われてしまうものであって、憲法というのはそういうものだ。
ベテラン男性アナウンサーでさえ、言論の自由について根本的な「誤解」をしているのだから、日本人の民度たるや推して知るべし。上映を「自粛」する映画館が次々と出てくるのも当然である。
いずれにせよ、早い時期にネット上映するか、DVD発売するのが商業的にも最善策だ。