オープンソースのAsteriskを元にしたIP電話交換機5製品

企業用IP電話の話題。インターネット技術を利用した企業用の社内電話交換機(IPPBX)だが、その後ネットで調べてみると、中身が公開されているオープンソースの「アスタリスク(Asterisk)」というソフトウェアをもとにして、日本国内で開発・販売されているものが意外に多いことがわかった。
Asteriskについては日経ITProのこちらの連載記事をご参考いただきたい。
まずは、NTTデータの「Astima」
前回もご紹介したが2007/04に発売されたNTTのひかり電話専用の小型製品。元はNTTデータの子会社であるNTTデータ先端技術が開発したもの。大手メーカーの従来型の構内電話交換機(PBX)と比べ、内線電話の構築費用は4分の1程度になるという。内線端末250台、同時通話数30チャンネルという制限はあるが、NTTグループの製品なので安心して使えそうだ。
次に同じNTTグループのNTTソフトウェア「ProgOffice」
こちらは無線LAN対応携帯電話でも安定した内線通話ができることが売り。元はNTT研究所が開発したもの。携帯電話だけでなく、固定のIP電話も接続でき、最大500端末まで接続可能。やはりNTTグループ製品なので無線LAN対応携帯電話による内線を実現したい企業にとっては、魅力的な選択肢になりそうだ。
次にターボリナックス社の「InfiniTalk」
ターボリナックス社は「ターボリナックス」という独自のLinux配布版を発売しているので、Linux系の技術力は信頼できそう。そのターボリナックス上でAsteriskを機能拡張したのが「Infini Talk」だ。ソニー損保に導入実績がある点に説得力がある。
次にモバイルテクニカ社の「xCube」シリーズ
上位機種のvCube/mCubeでは他拠点構成なども実現できるようだ。こちらはユカマテリアルという水道設備メーカーに導入実績があり、やはり説得力がある。モバイルテクニカ自体は2004年設立の新しいベンチャー企業だ。
最後に前回もご紹介した「BIZTEL PRO」という製品
ベンチャー企業のハーモナイズシステム株式会社(旧エムトゥエックス)とホスティングサービスの株式会社リンクの共同開発による製品。首都圏中古車販売のアビックスコーポレーションに小規模な導入事例があるようだ
以上、NTTグループの2社を除くとベンチャー系なので、業務の生命線である電話設備を本当に任せて大丈夫か不安に思う総務担当者も多いだろうが、部分導入から始めて、徐々に通話費用の削減効果を出す考え方もあるだろう。
電話設備で冒険したい企業は少ないだろうから、オープンソースの「Asterisk」を機能拡張したこれらの製品の潜在的な市場規模は非常に限られることは間違いない。そんな市場に既に5社も進出しており、そのうち2社がNTTグループなので、すでに過当競争になっているとも言える。
仮にNTTグループが1,000端末規模でも安定稼動する「Asterisk」ベースの交換機(IPPBX)を開発すれば、独占状態になりそうな気もする。どうでもいいと言えばどうでもいい、非常にニッチな市場だが、まあこういう世界もあるということだ。