もはや普通になったIP電話交換機

電話の話ばかりで申し訳ないが、内線番号のある会社にはビルの中に電話交換機がある。ところがこの構内電話交換機、それほど安いものではない。低機能なものでも100万円は下らない。
電話交換機には大きく分けて、昔ながらの電話交換機と、インターネットの原理を応用した電話交換機(IP電話交換機と呼ぶ)の二種類がある。一般的にIP電話交換機の方が割安なので、企業が古くなった構内交換機を買い換える場合、IP電話交換機にすることが多いようだ。
しかしIP電話交換機であっても大手メーカーが独自開発した製品は、安心感や信頼性とひきかえに値段もそこそこする。
そんな構内電話交換機の世界に「価格革命」をもたらそうとしているのが、Asteriskという無償のIP電話交換機「ソフトウェア」だ。Asteriskは普通のパソコンで動き、独自に機能を追加することもできる。極端な話、パソコン代だけで社内の電話を構築できてしまう。
しかし、Asteriskをパソコンにインストールして、自分の会社に合うように設定するのは専門的な知識が必要になる。そこで、Asteriskを素人にも使いやすくした製品やサービスが日本国内でも出てきている。
たとえばBIZTEL PROという製品だ。(@ITに掲載の紹介記事はこちら
内線番号数を3,000件設定できる最上位製品「BIZTEL PROマスター」でも価格は100万円、年間保守料金が25万円。おそらく同規模の内線電話を旧式の構内電話交換機で実現すれば、ケタが一つ違う金額になるのではないか。
BIZTELが特徴的なのは、IP電話交換機を月額いくらのサービス(ASPサービスという)としても提供している点だろう。つまり、設備投資をしなくても、IP電話交換機を間借りして、すぐにIP電話交換機の機能を使い始められるのだ。間借りするサービスの詳細はこちらのページにある
自社向けにいろいろ機能を追加したい場合は、買取版のBIZTEL PROを選べばいいし、標準機能でいいから手軽に使いたい場合は、間借りサービス版のBIZTELを選べば良い。これからIP電話を使おうという企業にとっては、何とも使い勝手の良い製品である。
欧米ではAmazon.comが同様の安価なソフトウェアによる構内電話交換を実現しているようだ
Amazon.comが採用したのはピングテル社の「SIPxchange」という製品だが、故障時に自動的に予備機に切り替わる機能(高可用性機能という)をもった最上位の製品でも、たった2,720ドル。BIZTEL PROは高可用性機能が別売なっているので、BIZTEL PROよりも数段安くなっている。
ただし、BIZTELやSIPxchangeなど、安価なIP電話交換ソフトウェアの唯一の問題点は、使える電話機が限られるということだ。
日本的なビジネス電話の機能を忠実に再現したいなら、高額でも大手メーカーのIP電話交換機を導入すべきだろう。大手メーカーは、自社製のIP電話交換機専用に、日本的な企業文化に合った高機能なビジネス電話機を発売しているからだ。
いずれにせよIP電話交換機は、すでに常識になっていると言っていい。