究極の社用電話は「ロケーション・フリー」

最近、企業における電話について考えることが多い。
会社で使う電話で、いちばん大事なのは相手がつかまることだ。この意味で、究極の電話とはいったい何だろうか。相手がどこにいても連絡がつく究極の電話とは?
当たり前のことだが、携帯電話がそうだ。
携帯電話は、電話機がどこにあっても基地局がその位置を自動で特定し、位置情報を携帯電話会社の交換機か何かに伝え、どこからかかってきても確実に電話機を鳴らす。
その意味で、携帯電話はどこにあっても自動的に位置を特定する究極の電話だ。
重要なのは「自動的に」という点だ。携帯電話を使っている人が、いちいち自分は東京都渋谷区にいますとか、ニューヨークにいますとか、現在位置を設定する作業をしなくても、携帯電話が自動的に位置情報を送り出してくれる。
そんなこと当り前じゃないかと思われるかもしれないが、この重要性に気づいている人は意外に少ない。
したがって会社の電話としては、究極的には全社員が携帯電話を持つのが理想的だ。
もちろん社外からの電話を受けたり、高度な保留・転送機能を使うには固定電話も必要だが、ふつうの会社では、今後は固定電話は脇役、携帯電話が主役になるだろう。(コールセンターなど大量の固定電話が必要な場合を除く)
最近では、携帯電話が社内にいるときは自動的に無線LAN対応のIP電話に切り替わる仕組みもある。社内にいるときはIP電話としてかかるので通信費が無料になり、一歩社外に出ると自動で携帯電話になる、といった具合だ。
また、一つひとつの携帯電話に内線番号をつけ、社内からその内線番号にかけた場合、その携帯電話が社内にあればIP電話として、社外にあれば自動で携帯番号に転送されるという、とても便利な機能をもった電話交換機も発売されている。
この機能があると、社内から特定の社員に電話をかける人は、その社員専用の内線番号さえ覚えておけばいいことになる。内線番号と携帯番号の2つを覚える必要がなく、内線番号だけ覚えておけばいい。
電話の究極の姿は、このような居場所に依存しない「ロケーション・フリー」である。一人の社員が、複数の電話機(固定電話と携帯電話)、複数の番号(内線電話と携帯番号)を使わなければいけない時代は、もう終わりつつある。
別の考え方として、「デバイス独立」といって、一人の社員が複数の電話機を使うが、電話番号は一つに統一する仕組みもある。しかしこの場合、社員は今自分がどの電話機を使っているか、自分でいちいち交換機に登録する必要があり、「ロケーション・フリー」に比べると、二歩も三歩も遅れている。
会社の電話は、実はなかなか奥が深い。