カート・ヴォネガット『国のない男』


2007/04に逝去したカート・ヴォネガットの遺作『国のない男』を読んだ。ブッシュ大統領を初めとする新保守主義者たちを「サイコパス」と呼び、ナチスドイツと並列に論じているカート・ヴォネガットにとって、よりによってブッシュ政権下の米国で最晩年を生きなければいけないのは、自分でも笑ってしまうくらいのアイロニーだったのかもしれない。
この『国のない男』という書物全体からは、自虐的なユーモアを通り越した、救いようのない絶望感だけが伝わってくるのが、カート・ヴォネガットの一ファンとしてはとても悲しい。
そして、ヴォネガットのような優れた小説家を絶望に追いやる米国は、やっぱりどうかしている。