石屋製菓社員はなぜ内部告発を決意したか

今日のニュースによれば、北海道の石屋製菓の賞味期限改ざんは過去10年間にわたって行われ、社長も把握していたらしい。僕の興味を引くのは、10年にもわたって首尾よく隠蔽されてきたことが、なぜ今になってバレてしまったのか、ということだ。
2007/08/14付け毎日新聞の記事によれば、2007/06下旬に社員と思われる関係者から、「白い恋人」の賞味期限改ざんについて、石屋製菓のホームページに内部告発があったというが、「白い恋人」件については社長も10年間認識していたのだから、この内部告発がきっかけになったとは言い難い。
北海道新聞の2007/08/15付け記事によれば、「一連の問題は八月九日以降、数回にわたって同保健所に電話で同社の従業員を名乗る人から内部告発があり、発覚した」とあり、これが発覚のきっかけになったようだ。
しかしさらに考えると、10年来、全社的に行われてきた賞味期限の改ざんが、なぜ2007/08/09以降、突如として内部告発されるに至ったのか、その理由がよくわからない。
一つ考えられるのは、賞味期限改ざんはまだ許せたが、商品から大腸菌やブドウ球菌が検出されたことを隠蔽することには耐えられない社員がいた、ということだ。大腸菌やブドウ球菌は、消費者の生命に直接かかわるおそれがある。賞味期限の改ざんとは重大性が一段異なる。そう考えた社員がいてもおかしくない。
ただ、商品から大腸菌群が検出されたにもかかわらず、同社が保健所に届けず、こっそり廃棄処分にし始めたのは2007/07上旬からで、そこから1か月もたっている。内部告発した社員は、1か月間、告発すべきか否か葛藤していたということだろうか。
1か月の葛藤の期間は、会社に対する忠誠心の高い社員ならあり得るかもしれない。その社員は、賞味期限改ざんについては既に知りながら内部告発を避けてきたくらいだから、かなり忠誠心が高かったに違いない。
内部告発で不正が明るみに出た石屋製菓のような事例は、まだ救われていると言える。僕には同社のような不正は氷山の一角で、日本国内の民間企業には、内部告発されないまま眠っている無数の不正行為が、ひそかに横たわっている気がしてならない。