ビデオニュース・ドットコム無料放送回に小林よしのり氏登場

ビデオニュース・ドットコムは、ふつう月額525円を払って会員にならないと、放送が観られないが、その月に第5週目の金曜日があるときは、その回の「マル激トーク・オン・ディマンド」は無料になる。
そして先月はたまたま5回目の金曜日があったので、「第326回マル激トーク・オン・ディマンド」は久しぶりの無料放送となった。
ホスト役はいつものように社会学者の宮台真司氏(なぜか今回は神保氏は欠席だった)。ゲストは『ゴー宣』などでおなじみ、最近は漫画家小林よしのり氏である。なにしろ無料なので観ないと損だ。
第326回のテーマは右翼と左翼。
小林よしのり氏が出演するインターネット番組を「みなさんも観ないと損だ」などと言って、「愛と苦悩の日記」の筆者もとうとう右翼になってしまったか、と早合点されぬように。
僕は、デリダ研究で有名な高橋哲哉氏から現代西欧哲学を学びたくて某国立大学に入学したこともあり、高校から大学時代にかけて明らかに「左寄り」だったし、最近まで「左翼」的な言説に同調する傾向があった。
今回のマル激トーク・オン・ディマンドの中で、社会学者の宮台真司自身、昔は「左翼」だったと話している。知識人の多くが「左翼」出身である理由を、宮台氏はこう説明している。若いころには誰しも正義感を持っていて、その正義感から社会的弱者の味方をしたいと思うものだ。
そして宮台氏が決定的に「左翼」と袂を分かったきっかけは、コソボ紛争だったらしい。コソボへの派兵問題で、ドイツ国内ではユルゲン・ハーバーマスを含む知識人たちを二分する大論争が起こったのに、日本国内ではほとんど話題にもならなかった。
最悪の暴力を回避するには、自ら暴力に手を染める必要もあるということから、日本の「左翼」知識人は目をそむけている。それで宮台氏が日本国内の「左翼」知識人に決定的な不信感を抱くようになった。
知識人志望者としてご多分にもれず正義感が強かった僕も、まさにそういう理由で「左寄り」だったが、正直、最近の高橋哲哉氏の「左翼」的言説にはついていけない。
かといって「左翼」から決別できるほど、確実な反「左翼」の理論的基礎を手に入れているわけでもない。(もっとも、ジャック・デリダの脱構築を正しく理解していれば、そもそも「左翼」的言説に無批判に同調できるはずがないと言われれば、その通りなのだが)
小林よしのり氏は、沖縄において「左翼」的な同調圧力がいかに強いか、そしてそのことが沖縄に住む人たちを実は不幸にしているかもしれない点を指摘している。
そして宮台真司は、日本のアカデミズムの「左翼」たちが、自分たちが暴力の行使を免れているのは、国家が暴力を独占することで成立しているからだという事実を意図的に忘却している点を批判する。
その他、興味深い論点がたくさん出てくるので、「第326回マル激トーク・オン・ディマンド」は必見である。

ビデオニュース・ドットコム無料放送回に小林よしのり氏登場」への0件のフィードバック

  1. まったり人生

    アイデンティティーの有効活用

    今更ながらになるのですが、小林よしのりと萱野稔人がゲストで呼ばれたマル激
    の無料放送回
    は面白かったです。特に後半の格差問題についてのやりとりがよかったと思います
    いざなぎ景気を超えたといわれる景気回復期にある現在、少しは国民にも余裕が出てきたのか、「格差…