会社を変える最適な方法論

かつての雪印や三菱自動車工業、カネボウ、ミートホープなど、明らかに違法行為をはたらいた企業は別として、合法的に営業活動をしている会社で働いていて、この会社をより良くしたいと考える人がいるとき、問題なのはその人が何を理想形としているかだろう。
個人としてのサラリーマンの経験には限界がある。僕は幸か不幸か転職回数が多いので、社員数何万人という大企業から、数百人の中堅企業までの経験がある。
それぞれの企業組織が、どうなれば最適なのかということは、社員数や売上規模といった客観的な会社の大きさだけで決まるわけではない。組織風土や社風、企業文化といった目に見えないものによっても大きく左右される。とくにオーナー色の強い企業の場合は、オーナーの考え方によってその企業の文化が大きな影響をうける。
ほとんどの大企業の組織は、良い意味で合理的・官僚制的に整然と組織されているが、こうした組織がすべての企業につねに最適だとは限らない。とくにオーナー色の強い企業では、オーナー自身が合理性を追求する性格でない限り、合理的・官僚制的な組織を作り上げるのは難しい。
中でもベンチャー企業から成長した企業では、企業全体が創業者の理想を実現するのに最適なように組織される傾向が強い。それを悪く言えばワンマン体制ということになるが、それがなくなってしまうと、もはやその企業はその企業でなくなってしまう。重要な個性と、同業他社に対する差別化要因を失ってしまう。
自分の働いている会社をより良くしたいと考えるなら、まず適切なモデルを選択しなければならない。オーナー色の強さが個性になっているような会社を、大企業のような合理的組織に変えようとするのは、モデルの選択を誤っている。
一企業といっても、それは一つの社会である。そして一つの社会の性質は、それほど簡単に変わるものではない。外資系企業に買収されたり、違法行為で社会的な処罰をうけるなど、大きな外的要因がない限り、一つの企業の文化はとても根強く安定している。
逆にそうした安定性こそが、社員の安心感を生み出し、組織の内部におこる変動や複雑さを縮減することに役立っているのだ。
したがって、無理なモデルをもってきて、会社がそのモデルと違うということを論拠に会社を変えようとするのは、方法論として完全に誤っている。組織変革の最適な方法とは、その組織が動いている原理をわざと推し進めることで、その限界を露呈させることだ。
その組織の中にある制度があって、その制度が不合理だと思うなら、その制度に忠実にしたがえばどれほど不合理なことが起こるかを示して見せることだ。
会社組織に被雇用者として属していて、革命的な方法で変革を起こすのは本質的に不可能である。したがって組織を変えようと思えば、体制内改革の方法論をとるしかない。そして体制内改革の方法論とは、まず徹底的にその組織の作動原理を忠実に推し進めてみることである。
よそから理想のモデルをもってきて、自分の組織がいつかその理想どおりになると考えるのは、単純素朴なロマン主義以外の何物でもない。

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