ビジネス文書にもう志賀直哉はいらない

ビジネス文書を書くにあたって、僕がお手本として念頭においていたのは志賀直哉だった。同じ情報量を伝えるのに、いかに簡潔な日本語で伝えられるかがビジネス文書の真髄だと考えていたからだ。
ところが一般のサラリーマンの日本語力は、簡潔な文体を正しく読み込めるほど高くないらしいことが最近わかってきた。
最近、テレビのバラエティー番組で字幕が多用されているせいなのか、まともな日本語で書いてある良質な本を読まずに、いかがわしい自己啓発本や金儲けの本ばかり読むせいなのか、原因は明らかでないが、簡潔を旨とするメールが誤解をうける場合が多くなってきた。
仕方ないので最近は、一通のメールには極力4つ以上の用件を含めない、大事なことは冒頭と末尾にくり返すことにしている。
日本企業の人事評価が成果主義に傾くにつれて、日本企業のサラリーマンの思考はますます物事を単純化するようになり、「わかりやすさ症候群」に磨きがかかっている。この流れはいったいどこまで進むだろうか。