いまさら気にしてみる三菱自動車の厳しい近況

ダイムラークライスラーが資本を引き揚げた後の三菱自動車が、果たして「復活」したと言えるのか、ときどき思い出したように気にしてみたりしている。
結論としては、やはり二度のリコール隠し問題の影響は避けがたく、「復活」したというより、以前とは全く別の会社になったというべきだろう。
自販連のブランド別年間新車販売台数の2005年から2006年への推移を見ても、軽自動車の伸びが全体の伸びに貢献するなか、三菱自動車は国内ブランドではシェアを落としてしまっている。
斬新なデザインの軽自動車「アイ」が各賞を受賞したということで、三菱自動車は「復活」を喧伝しているけれども、普通車や小型車の状況はとても厳しい。小型車「コルト」の勢いはもう完全に失われている。
輸出をふくむ年間販売台数で、三菱は2005年、スバル、マツダをしのいでいたが、2006年は「レクサス」ブランドを除くと国内最下位に転落した。車種別で三菱自動車はたしかに「軽」を伸ばしているが、普通車販売は半減という非常に厳しい状況だ。アウトランダーや新型パジェロが功を奏していないことになる。
おそらく三菱自動車は、奇抜な新車を単発で小ヒットさせ、限定された顧客層にアピールすることで生き残るといったタイプの自動車メーカに変質したと考えるべきだろう。
ダイムラーが去ったことで、三菱自動車はたしかに自社の伝統に回帰し、日本企業としての誇りをとりもどしたかもしれない。しかし他方で、完全にダイムラー傘下に入った三菱ふそうは、いまだに脱輪問題を引きずりながらも、対前年比で着実に新車販売台数を伸ばしている。
三菱自動車は最近、販社の大胆な統合策を打ち出したが、コスト削減にはなっても、販売台数の短期的な回復には結びつかない。これが開発部門の社内での発言力をまた肥大化させ、同じ過ちのくりかえしにつながらなければよいのだが。