モチベーションは自分自身で調達せよ

サラリーマンが仕事をするための動機づけをどこから手に入れるかについて、数年前の僕は間違った考え方をもっていたかもしれない。サラリーマンが仕事をするための動機づけは、最終的には会社組織の外部から手に入れるしかないのだ。
いまサラリーマン社会では「コーチング」の流行ひとつとってみても、部下を動機づけするのも上司の仕事の一つだという考え方が「正しい」こととしてまかり通っている。
部下を動機づけるのが上司の仕事だとすれば、その上司を動機づけるのは上司の上司の仕事ということになり、最終的には会社組織のトップがすべての社員の動機づけの責任を負うことになる。
しかしこれはよく考えると、単なる組織への依存にすぎない。仕事をするのは会社組織に参加するための最低要件なのであって、会社組織に参加しておいて、つまり給料をもらっておいて、「やる気にさせてくれないのは会社のせいだ」などとほざくのは、単なる甘えであり、感情的な依存にすぎない。
したがって「コーチング」などといったことに会社が組織的に取り組むのは、少なくとも日本企業では、社員の会社に対する感情的な依存をさらに強化するといった悪循環を生み出すだけに終わる可能性が高い。
言い換えれば、会社組織がコーチングなどといったことを下手にやればやるほど、社員に「オレが(わたしが)やる気にならないのは会社のせいだ」という言いわけを垂れ流す余地をあたえることになる。
そういう言い訳が強くなれば、会社組織はますますコーチングのような動機づけへの取り組みを強化せざるを得なくなる。このような悪循環が起こる。
サラリーマンは特定の会社組織に自分の意志で参加し、報酬をうけているのだから、会社組織に参加するための最低要件、つまり「仕事をすること」についての動機づけは、組織の外部から自分で手に入れるのが当然だろう。
それは「家族のため」でもいいし「仕事自体が趣味的に好きだ」でもいい。動機づけの調達の方法は何でもいいのだが、とにかく自分自身で調達するのが、自立した市民としての会社組織への参加の仕方だ。
僕が今まで在籍した会社にも「自分がやる気になれないのは上司が悪い、会社が悪い」とほざく同僚が何人かいたし、もしかすると僕自身もその一人だったかもしれない。問題なのはどれだけ早くそのことに気づくかだ。