大川ゼミのあったビルからあべの地下街へ

ついでに今回の帰省では、小学校のころ通っていた、天王寺駅前の学習塾の入っていた雑居ビルも訪ね当てることに成功した。成光ビルという間口の狭いビルである。もちろん今はもうその「大川ゼミ」という進学塾は入居していないが、一階からまっすぐに伸びる狭くて急な階段が何よりの目印だ。
そして、あべの地下街(略して「あべちか」)のいちばん北の端の出口を上がってすぐの場所にあったはず、ということも手がかりになった。
雑居ビルの前から小学生の頃のように、天王寺駅へ帰るつもりで逆にあべの地下街に降りていくと、幅のせまい通路の左右に、昔と同じうらぶれたカウンターの一杯飲み屋がならんでいる。このあたりは「あべの横丁」という名前だ。
その飲み屋街を過ぎると、こちらは昔と違ってこぎれいな地下街が広がっている。最近できたのか、こぎれいなモスバーガーの前でメニューをのぞきこみながら迷っている女子校生が3人。偶然にもOさんが通っていた女子校の制服だった。グレーのブレザーに特徴のある校章なのですぐにわかる。
すべてが失われてしまった。何もかもが。