自衛隊不祥事の原因は風俗に行けなくなったこと?

先日来、自衛隊の誤射や銃火器の紛失と、不祥事が連続した。それに関連してYahoo!JAPANのニュースに自衛官の発言として引用されていた言葉に、強い違和感をもった。
スポーツ報知『消える自衛隊員に何が?…外出制限、集団生活、いじめ原因か』
この記事で「軍事ジャーナリスト」が次のように言っている。
「海自は1回、航海に出ると1か月間帰ってこない。航海中は娯楽もなく彼女とも会えない。かつて月に1回上陸した際には、みなでソープランドに行くなど、どんちゃん騒ぎをしてストレスを発散してきた。それが今は、行儀良くお利口になってきて、ストレス発散をしづらくなってきているんです」
つまり、ソープランドにも行けないほど世間の目を気にする必要が出てきたので、「発散」する場所がなくなり、自衛官にストレスがたまり、さまざまな問題の原因になるのだ、という論旨だ。
何より違和感をもったのは、このスポーツ報知の記事が、この自衛官の言葉を批判することなく、傾聴すべき一つの見解として紹介している点だ。ただ、こんな言い訳にもならない言い訳が正々堂々と報道されるスポーツ紙の世界こそ、僕が毎日を過ごしているサラリーマン社会そのものなのである。
例えば、夜、おしゃれな和風レストランでの飲み会に出席すると、席にすわるなり日本各地のソープランド街や、非合法な売春地区についてのうんちく話が始まったりする。
ふつうのサラリーマンが、リラックスした席でこういう話をすること自体の是非は、ここではあえて問題にしない。一介のサラリーマンである僕には、民間企業の営業職の職場はこんなもんなんだと、現実を受け入れるしか選択肢がないわけだ。
被雇用者として生活する人々は、年齢を重ねるごとに「他の選択肢」を確実に失っていく。そして、人によって異なるが、一定の年齢になれば、生きていくためには、明らかに法に触れることを除いて、大抵のことに妥協せざるを得なくなる。僕もその一人だ。
そういう風にして追い詰められていくのが、一般的な被雇用者(サラリーマン)の、いたって普通の生活である。ソープランド街のうんちく話にいちいち神経を尖らせる方が「どうかしている」のだ。
僕自身、こうしてインターネット上で、いわゆる「きれいごと」を書いている間は、そのような被雇用者としての生活から自由であるかのような幻想を抱くことができるが、現実には、会社員生活のいろいろな場面で、以上のような冷厳な事実を、イヤでも再確認させられるのである。