予告:OpenLaszlo(オープンラズロ)現実主義者と理想主義者の論争

先日来、OpenLaszlo(オープンラズロ)というリッチクライアント開発言語の普及が非常に困難である理由について、いろいろと書かせて頂いた。
もう少しだけ補足させていただく。たとえばボーランド社のDelphiというオブジェクト指向Pascalだが、僕は個人的にVisual Basicよりも大好きだった。しかし結局、Windowsベースのクライアント・サーバシステムでは、Visual Basicが主流となり、Delphiは、開発者人口が増えなかったために、いまだに超マイナーな地位にとどまっている。
Lotus Notes/Dominoも、個人的には短期システム開発ツールとしてとてもすぐれているので大好きなのだが、IBMの他のオープン系技術との融合がもっと迅速に進まない限り、利用者数は減りつづけるだろう。
くりかえしになるが、いくら言語そのものが優れていても、大企業が金にものを言わせて開発者人口を増やす努力をするか、オープンソース・コミュニティーでカルト的な人気を獲得しない限り、開発言語は生き残ることはできない。Rubyだって2年後に生き残っているかどうか、かなりあやしいものだ。
これは人間の自然言語と同じではないか。おそらくエスペラントという言語は、英語よりもすっきりした文法体系になっているに違いないが、結局、世界の共通語は英語、それもアメリカ語になっている。フランス語も世界共通語になれなかった。言語そのもの良し悪しより、米国の政治力が効いていることは明らかだ。
マイクロソフトのActive Server Pagesにしても、JSPに比べると、初期バージョンから現在のASP.NET 2.0はかなり様変わりしていて、互換性も何もあったものではないというヒドい状態だ。それでもBASIC系の技術者がたくさんいるという事実だけで、メジャーなWeb開発言語でありつづけている。
さて今回は、OpenLaszlo(オープンラズロ)について、先日ご紹介した「オープンラズロの長所・短所についてご意見は?」という掲示板上で、米ラズロシステムズの社員がふれていたslashdot.orgというWebサイトでの議論http://tinyurl.com/o53h5を日本語訳したので、その予告をさせていただく。
この議論は、アドビ社員の「md17」と親アドビ派の「suv4x4」氏に対して、ラズロシステムズ社員の「gse」とラズロシステムズの請負業者「SimHacker」が徹底的にOpenLaszloを擁護するという内容だ。
「md17」の大企業の社員らしい余裕たっぷりの発言に対して、「SimHacker」が理想主義をかかげて執拗に噛みつくという構図が、OpenLaszloの未来を予言していないか、ぜひご一読いただきたい。「SimHacker」氏の言っていることは正論かもしれない。しかし、正論だけでビジネスの世界は回っていないという現実を、「SimHacker」氏はわかっていないようなのだ。
その意味で「md17」氏は大人(現実主義者)であり、「SimHacker」氏は子供(理想主義者)だ。理想主義者が理想に突っ走っても、小さなコミュニティーで熱狂的な支持は得られるだろうが、ビジネスの世界でメジャーな地位は永遠に獲得できない。それがOpenLaszloの未来を予告していないか。
全てを訳すと大変な量なので、あまりに微細な議論の部分は省略した。何度かにわけて訳出してみたい。