宮崎アニメと『ザンボット3』の接点

そういえば動画配信サイトShowtimeで『ザンボット3』を観ていたころに、この「愛と苦悩の日記」の読者の方からメールで「金田パース」というものについて教えて頂いた。日本語版のWikipediaの金田 伊功(かなだ よしのり)氏の項をあたって頂ければわかるが、金田氏は宮崎駿監督作品の原画としても有名な人物らしい。
金田パースというのは、遠近法(パースペクティブ)という言葉が入っていることから分かるように、極端に強調された遠近法のことで、ロボットものなどで架空のカメラの手前にあるものをより大きく、奥にあるものをより小さく描くことで、ロボットや戦闘機の動きのダイナミズムをより強調する手法のことを言うようだ。
金田氏は別に「金田ビーム」という戦闘ロボットものに欠かせない表現技法も編み出しているらしく、セルの透過光を利用した、ビーム光線の独特な表現も氏オリジナルのものらしい。こういうところから出発して、金田氏は『天空の城ラピュタ』や『となりのトトロ』、『魔女の宅急便』、『紅の豚』、『もののけ姫』などで原画を担当する、今や日本アニメ界の重鎮になっているとのことだ。
『ザンボット3』のような、見方によっては「下らないお子様向け合体ロボットアニメ」が、実は今の日本のアニメーションの品質や芸術性を支える確かな職人たちのインキュベーターになっていたということなのだから、「ジャパニメーション」が世界で評価されているからといって、お金をかけて創造性や芸術性ばかりを追求した作品ばかりを製作していたのでは、将来の日本アニメを担うクリエーターが育たなくなってしまう、ということなのかもしれない。