ブログ「北の大地から送る物欲日記」の梅田氏擁護への反論

またまた『ウェブ進化論』について梅田望夫氏を擁護するトラックバックを頂いたので、僕の方でも懲りずに反論しておく。どうやら梅田望夫氏はすでに卑俗な取り巻きをもつ偶像(アイドル)になってしまっているようだ。このままでは氏の著作は本当に古書店で100円均一で投売りされることになってしまうおそれがあるので、梅田氏は注意した方がいい。
『ウェブ進化論』の中の「ITの進歩によってはじめて可能となる新しい仕組みを是とし、人間の側こそそれに適応していくべき」(p.55)という箇所について、ITが主人、人間が奴隷になるべきだと梅田氏が明言していると僕は書いた。
それに反論してブログ「北の大地から送る物欲日記」では、グーグルのページランキングという仕組みのことを梅田氏は「ITの進歩」と呼び、人がそれを受け入れるべきだと書いている。無数のウェブサイトを作り出しているのも人なら、それを評価するのも人であり、ITはそれを支援しているだけだ。だから梅田氏はITが主人で、人間が奴隷になるべきだなどとは言っていない。こう書いている。
地球上に人間という種が誕生する以前から存在したものを除いて、すべてが人間の作ったものであることは当たり前だ。最新のITもウェブサイトの内容も人間が作り出したものである。おっしゃるとおり。
しかし梅田氏の議論の要点はそんなところにはない。「ITの進歩」を無条件に「是」とし、人間にはそれに適応するかどうかを選択する自由はない、ITの進歩にただ人間は適応するべきだ、と梅田氏は書いているではないか。梅田氏は、人間にはもはやITの進歩を受け入れるかどうかを選択する自由はないと主張しているのだ。この箇所はそう読まない方が曲解である。
この人間はすべからくITの進歩を受け入れるべきだという梅田氏の議論は、暴論以外の何ものでもない。梅田氏がネット世界では民主主義が機能するというグーグルの社是を本当に理解しているなら、「人間はITの進歩を受け入れない自由もある」と書くべきだったのではないのか。
グーグルが、ページランキング・アルゴリズムはリンクという民意だけに依存している点で「民主主義」だと主張していることは理解できる。しかし梅田氏はそこから、だから人間の側はそのITの進歩に適応すべきだと、人間の側の自由を制限するような主張を臆面もなく展開している。
グーグルが何を主張しようが自由だが、そのグーグルの成果物を拒否する自由は人間の側にないと主張する梅田氏は、明らかに民主主義に反している。僕はそれを梅田氏の行き過ぎであり、暴論であると言っているのだが、何か間違っているだろうか。
ブログ「北の大地から送る物欲日記」の作成者の方は、梅田氏の扇動的な主張に陶酔するあまり、すでにその議論の粗雑さが見えなくなっているようだ。もちろん梅田氏の根拠のない扇動にのるのもそれぞれの人の選択だが、一応はっきりと反論させて頂いた。