右傾化しても左翼健在のフランス

■少し前のクーリエ・ジャポンに特集記事があったのだが、フランスは先進国中でも例外的に出生率が高く、2.0近い。その特集記事によれば、別にフランスの少子化対策が功を奏しているからではなく、子供を産まない女性に対する社会の風当たりが異常に強いためらしい。
要するにフランス社会は保守化しているようなのだ。僕が高校生のときに読んで、フランス現代思想を研究しようと思い立つきっかけになった『第二の性』で有名なシモーヌ・ド・ボーヴォワールを輩出したとは思えない保守化ぶり。もちろんもともとフランスは女性差別が根強く、だからこそ逆にボーヴォワールのような偉大なフェミニズム思想家を生み出したのだとも言えるのだが。
ただ、報道でもご存知のように、政府の新しい雇用政策に反対してフランス各地で大学生たちのデモが続いており、沈静化の気配がないらしい。来週には労働組合も含めてフランス全土でゼネストに突入しそうな勢いだという。こういう報道を耳にすると、フランス国内の政治は左右のバランスがとれていると感じる。政府は自ら右傾化を否定しなければならないほど右傾化しているが、激しいデモをやめる気配のない左翼学生たちも健在というわけだ。