東横インに見るワンマン経営者チェック機能の重要性

■やはり東横インが支配人に女性を活用しているというのは、決して社会的貢献として誇れるような種類の女性労働力の活用(やっぱり労働力をモノ扱いするような表現が気になる)ではなかったようだ。
東横インの女性支配人の初任給は年収たった320万円で賞与なし。勤続10年でも570万円という。東横インが離婚暦のある女性などを積極的に支配人として雇用したのは、(1)安い労働力だから、(2)東横インぐらいしか雇ってくれないという弱みがあるため御しやすいから、この二つの理由があったからだと断言してもよいだろう。
あるテレビ番組で、元東横インの女性支配人だった女性が匿名の電話インタビューに答えていたのだが、全国の支配人を集めた会議では少しでも社長に対して意見すると、その場でやりこめられるのだという。多少の誇張はあるとしても、女性支配人の方がコントロールしやすいのは真実だろう。
違法改造直後の会見を見ても、この東横インという会社に経営に対するチェックがまったく機能していなかったのは明らかだ。経営陣に対して批判的な意見を進言できる体制が機能していれば、社長があそこまで無神経な語り口になるはずがない。社長の周囲にイエスマンやイエスウーマンしかいないために、あの社長は自分の言葉づかいがいかに常識からズレているかさえ分からなくなってしまっているのだ。
経営陣に対するチェック機能が働かない企業の抱えるリスクが、東横インのケースにはよく現れている。創業者のワンマン経営が、東横インのようなコンプライアンス問題を引き起こさないようにするには、よほどワンマン経営者自身の倫理観が強くない限り、労働組合や監査役などのチェック機能が必須なのではないか。
これは一企業の問題というよりも、日本の法制度の未熟さの問題なのではないか。