連合会長と女子アナのかみあわないトーク番組

■早朝、深夜のAMラジオ番組は、外国の短波放送を盗聴しているような気分にさせることがある。テレビのゴールデン番組では絶対に成立しないような会話が、恥ずかしげもなく堂々と放送されていることがよくあるからだ。
昨日、土曜日の早朝、たまたま目が覚めたので耳にイヤホンをつっこんで文化放送に合わせると、ありがちな人生相談のコーナーが聞こえてきた。が、その相談内容がめずらしい。「最近、勤め先に労働組合ができて加入を勧められているのですが、加入すると上司や経営層から目をつけられるのでやめた方がいいという人もいます。どうすればいいでしょうか」。
そんな相談に対して、きわめて聴きとりづらいダミ声の中年男性メインパーソナリティーが、「会社の経営者のなかには労働組合を毛嫌いする人もいますが、信じられません。労働組合ほど経営者にとってありがたいものはないんですよ。会社をよくするために一生懸命、協力してくれるんですから。ぜひ加入してください」。アシスタントの女性がさりげなくフォローを入れて、「まわりの方たちとよく相談した上で決めてみてはいかがでしょうか」と言うと、メインパーソナリティの中年男性はこの意見を完全に無視して、「ぜひ労働組合に入ってください」とくりかえした。
番組の終わりを告げる軽快なBGMがなり始めると、アシスタントの女性はいきなり話題をかえて、「ところで高木さんはどんなおなべがお好きですか」。すると高木というメインパーソナリティは何事もなかったかのように「やっぱりカキの土手鍋ですねぇ」「味噌味ですね」「ええ、大好きなんですよ。鍋をつつきながら日本酒で一杯」。さっきまでの真剣な労働組合談義はどこへやら。
この番組、文化放送毎週土曜日朝6:50から10分間放送されている『おはよう!高木茶屋』というらしい。高木というメインパーソナリティーと、アシスタントのアンバランスが強烈に印象に残ったので、インターネットでいろいろ調べてみた。
まずこの高木というダミ声の中年男性は、なんとまぁ僕の大先輩、東京大学法学部卒業の62歳、全旭化成労働組合連合会書記長、UIゼンセン書記長を歴任し、2005/10に連合・日本労働組合総連合会の会長に選出された高木剛氏だったのだ。どうりで労働組合擁護論を熱く語るわけだ。
一方、まったくかみあっていない「常識人」であるアシスタントの女性は、1974/04/16秋田県秋田市生まれ、早稲田大学政治経済学部経済科卒業で1997年文化放送に入社したアナウンサー石川真紀さんということがわかった(ちなみに同姓同名のグラビアアイドルがいるようだが別人)。
こういう下らない発見があるので、早朝・深夜、ふと目が覚めたときのAMラジオ聴取はやめられない。