糖尿病の娘を失った両親が教祖を提訴

■あまりにも悲しすぎるニュースを『報道ステーション』で見た。インスリンを注射しなければ死んでしまう小児糖尿病の娘を、とある新興宗教の施設にあずけたために死なせてしまった父母が、その教祖に1億円の損害賠償を請求する訴えを起こしたらしい。
両親が争点にするのは、施設に娘を連れて行ったとき、確かに教祖に対して「娘はインスリンを注射しなければ死んでしまう」と説明したということだ。教祖がそれを認めれば、死の危険を知りながら、少女をインスリン注射しないまま施設に置いたことになり、教祖の責任を追及できるというわけだ。
何が悲しいといって、まさにこの同じ理由で両親の責任も問われるということだ。両親は「娘はインスリンを注射しなければ死んでしまう」ことを知りながら、インスリンを持たせずに娘を自ら施設に連れて行き、娘を置いたまま帰ってきてしまった。教祖側の弁護士はこの点を厳しく追及するに違いない。教団はこの少女を強制的に拉致・誘拐したわけではないので、なおさら教祖側の弁護に説得力が生まれる。
最愛の娘を失った両親は、自分たちの争点を強く主張すればするほど、自分たち自身が不利になるという悲劇的な状況におかれてしまった。両親がこの訴訟に勝とうとすれば、自分で自分が話したことを信じていなかった(つまりインスリンよりもガマの穂の粉末の方が病気に効くと信じていた)ことを主張しつつ、しかし教祖の方はその言葉を信じていた(つまりガマの穂の粉末よりもインスリンの方が病気に効くと信じていた)ことを主張するという、完全に矛盾した議論を展開するしかないのだ。自分は自分の言ったことを信じていなかったけれど、聞いた相手は信じていた、という完全に矛盾した主張。
きっとこのご両親は「なぜあんな下らない新興宗教にすがって、みすみす娘の命を落とすようなことをしてしまったのだろう」と悔やんでも悔やみきれない思いで毎日を過ごされているだろう。こういう人々を救うために司法制度は合理性を超えたところで一体なにができるのか。続報を待ちたい。(日本テレビ系の動画ニュースでは岐阜県警が教祖だけでなく母親も来月書類送検する方針とあるが、他のニュース記事に同様の記述は見当たらない。本当なのだろうか)

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    「週刊文春」買ってきました!
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    って、たった2ページなんだもんな・・・
    でも初めてわかることがやっとはっきりした形で出てきました。
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    このお母さ…