ニート問題の主因は企業の不作為

■日本経済新聞の若者についての記事を読むたびに、偏見に満ちた内容に怒りをおぼえる。そういう偏見に凝り固まった四十代、五十代が人事権を握っているから、ニートと呼ばれる人たちにはいつまでたってもまともな就業機会が与えられないのだが、もちろん日本経済新聞の記者にその自覚はない。
日本経済新聞の若者に関する論調をまとめると次のようになる。今の若者はひ弱だし、コミュニケーションも下手くそだし、企業にとって即戦力になるわけではない。しかしITを駆使できる人もいるし、外国人アレルギーのない人もいる。欠点より長所を見て若年層労働力を活かそう。
しかし、社会人経験のない若者が、企業にとってはさまざまな欠点のある労働力であるのは当然だ。これまで企業は、そういう「使いものにならない」若者を「使いものになる」労働力に育て上げるという社会的責任を果たしていた。
ところが今の四十代、五十代は、自分たちが会社に育ててもらう前は、ニートと同じく「使いものにならない」労働力だったことを見事に忘れ去り、まるで現代の若者が労働力として「使いものにならない」のは若者自身の責任であるかのように考えているのだ。
だからこそ、若者についての記事が、若者の長所やニート就業の成功例を必死になって探すといった論調になってしまうのである。もし企業の中核を担っている四十代、五十代の「おじさん」たちが、「自分たちも会社が育ててくれなかったらただのニートだった」という事実を自覚していたら、若者についての記事は、ただただ企業の怠慢を批判する内容になっているはずだ。