ウディ・アレン監督『さよなら、さよならハリウッド』(2002年)

■今さらながら、4年前のウディ・アレン監督作品『さよなら、さよならハリウッド』をDVDで観た。一昨日観た中谷美紀主演映画といっしょにTSUTAYAから借りてきたものだ。脚本はウディ・アレン自身によるもので、映画監督が心因性の失明状態になりながらも、米国では酷評され、フランスで傑作と評価される傑作を撮ってしまうという彼らしいウィットの効いた物語。
監督としての映画づくりも、彼らしく計算されつくされたさりげなさにあふれている。エスクァイア誌の女性ゴシップ記者の扱いが少々中途半端な感じが残ったし、息子との和解が再び目が見えるようになるきっかけになった点も、意図的な設定であるにしても、精神分析的文脈として鼻についた。しかし、映画監督が突然失明するという設定を十分に活かしきった娯楽作になっているのは、さすがだ。
本作は2002年カンヌ映画祭のオープニングを飾っているが、意外にもウディ・アレンがカンヌ映画祭に参加したのはこれが初めてだという。この映画にも西海岸に代表される米国映画界の商業主義に対する軽蔑、フランスの映画評に対する信頼、米国人カメラマンに繊細な映像は撮れないという断言など、米国人でありながらコスモポリタンであるウディ・アレンの本質がよく表現されている。
だから僕もハリウッド映画が嫌いなのだ。ちなみにこの映画の原題は『Holleywood Ending』、つまり「ハッピーエンド」ということなのだが、映画は主役の映画監督が米国からフランスへ旅立つ場面で終わっている。

ウディ・アレン監督『さよなら、さよならハリウッド』(2002年)」への0件のフィードバック

  1. 京の昼寝〜♪

    『さよなら、さよならハリウッド』

    ■監督・脚本 ウディ・アレン
    ■キャスト ウディ・アレン、ティア・レオーニ、トリート・ウィリアムズ、マーク・ライデル
     舞台はおなじみのニューヨーク。 といってもアレン作品ではあまりおなじみでないハリウッド(!)。 ヴァル(ウディ・アレン)は、2度もアカデミー賞を獲っていながら今は落ちぶれてしまった映画監督。 そんな彼にハリウッド超大作の仕事が舞いこむ。 訪れた一発逆転のチャンス! し…

  2. Cinema-Absolutism

    さよなら、さよならハリウッド

    さよなら、さよならハリウッド  2005/アメリカ  ★★★★★
    監督 ウディ・アレン
    出演 ウディ・アレン / ティア・レオーニ / トリート・ウィリアムズ
    ■あらすじ■
     かつてオスカーを2つ受賞したこともある”鬼才”映画監督ヴァルは、現在仕事が見つからずに苦しんでいた。そこへ前妻エリーからあるビッグバジェット映画の監督を依頼され、奮起するヴァルだったが、次第にプレッシャーに悩まされるようになり、クランクイン前夜、ついに神経性失明状態に陥ってしまう…。
    ■「流石」の…

  3. 秋日和のカロリー軒

    さよなら、さよならハリウッド

    こんにちはハリウッド!  ウディ・アレンという人は曇り空の人だったという記憶があります。路面はいつも濡れていて空はグレー、それがウディ・アレンの映画における日常的な風景だったのでは?それがなんと、木の葉きらめく陽光のもとでキスシーン!?どどど、どうしち……

  4. こだわりの館blog版

    「さよなら、さよならハリウッド」

    10/30 飯田橋ギンレイホール にて
    今年のウディ・アレンでは「メリンダとメリンダ」
    よりこっちのほうが好き。
    監督・脚本・出演:ウディ・アレン
    出演:ティア・レオーニ、トリート・ウィリアムズ、ジョージ・ハミルトン、デブラ・メッシング、他
    今年、ウデ…