三浦展『下流社会』

■三浦展『下流社会』(光文社新書)を読み始めている。著者は民間企業でのマーケティングを主な経歴としており、高度な統計学を駆使できるバリバリの学者ではないので、アンケート結果の分析は「直感的」である。ただ、直感的なだけに、感覚的に大いにうなずける箇所が多く、とても面白い本だ。たとえば、僕が面白いと感じた箇所を、少し長くなるが、引用してみたい。

「現在の30歳前後の世代は、少年期に非常に豊かな消費生活を享受してしまった世代であるため、今後は年をとればとるほど消費生活の水準が落ちていくという不安が大きい。これは現在の40歳以上にはない感覚である。
 現在の40歳以上の世代の場合は、少年期は貧しく、20代、30代と加齢するにつれて消費生活が豊かになり、生活水準が向上していった。だから、仕事が大変でも耐えることができた。簡単に言えば、アメとムチがうまく機能した。(中略)
 普通の所得の人が、今後の所得の伸びを普通に期待しながら結婚し、子育てをするという展望が描きにくい時代になっているのである。」(p.103)