角田光代『空中庭園』

■電車の中で携帯電話をつかって読書するために、何を読むのが良かろうかと思って電子書店パピレスを物色していたら、たまたま最近、小泉今日子が出演して映画化されたとかいう角田光代『空中庭園』が見つかったので、ダウンロードして読了した。
角田光代が家族を描くと、家族さえ「擬似家族」になってしまうということなのだろう。個々の人間が内に抱えている孤独の深さが、恐ろしいほどの現実感で描かれているところが共感できた。人間は家族どうしでさえ完全には理解し合えないものなのだ、という当たり前の認識が、それほど当たり前でないということに、改めて気づかせてくれる作品である。